火祭り・芋くらべ・ヨッカブイ...奇妙奇天烈な夏の奇祭
■思わず首をかしげたくなる! ヘンな奇祭
●芋くらべ祭り
滋賀県蒲生郡日野町 熊野神社/毎年9月1日開催
芋くらべ祭りは、中山という集落が東西に分かれ、朝に掘ってきた里芋の長さを競い合う祭り。
杉岡さん「西が勝てばその年は豊作、東が勝てば凶作ということになります。まさに、集落の運命が決まる一大行事なんです」
芋の長さに村の存亡をかけるとは、なんとも変わった祭り! しかも、ただ長さを比べるだけと甘く見るべからず。裃(かみしも)姿の若者たちが踊り狂いながら、何度も何度も芋を測り合うのです。祭りは真夜中まで続くことも。
杉岡さん「『神事だから慎重にやろうやないか!』ということです。かつては勝った側に、水利権や山の入会権などの経済的特権が与えられたのだとか。だからどちらも、本気で勝ちに来るんです。昔は事前に相手側の芋を襲撃して折ってしまうという事件も起こったそうですよ」
芋に村の未来がかかった戦い。見ている人には奇妙に思えても、住民にとっては真剣そのものなのです。
●筑波山ガマまつり
茨城県つくば市筑波山/2015年は9月13日開催
ガマガエルの分泌液で作られた薬、「ガマの油」。現在でこそ本物のガマガエルは使われていませんが、このガマの油を生み出したといわれる光誉上人の供養と、商売繁盛を祈願する祭りとして始まったのがガマまつりです。
杉岡さん「ガマの油が地元の名物である筑波に、『ガマの油売り』が大挙集結し、技を競いあう祭りです。口上を述べたり、刀で自分の腕を切ってガマの油で血を止めたりするなど、さまざまな芸で観客を楽しませてくれます」
今年で67回目となるこの祭りのハイライトは、参加者たちがカエルのかぶり物を被り、筑波山の門前通りを一気に駆け上がる『ガマレース』です。その年の『ガマキング』の称号を得た人は、1年間ガマの恩恵を受けられる…とのこと。