なんとも"めでタイ"お祝い料理! 愛媛県宇和島市の「鯛そうめん」
■大物が丸ごと1匹と、インパクト大!!
案内してくれたのは「駅前本店」の料理長・宇都宮実樹さん。事前に予約をしていたので、すぐに運んできてくれました。
大皿に敷き詰められたそうめんとカラフルな具材の上に、大きな鯛がどーん! 鯛のサイズは重さ1.2kg〜1.5kg、全長40㎝オーバー。いざ目の前にすると、とんでもない迫力です……!
宇都宮さん「お祝いの席の料理ですから、1皿で10人前ほどの量です。鯛は宇和海で水揚げされたもの。そうめんを宇和海の波に見立て、海原を泳ぐ鯛を表現しているのです。そこに干ししいたけ、錦糸卵、ねぎ、しょうがなどの薬味をのせて、鮮やかに仕上げます」
早速いただこうと箸を取りましたが、正直大きすぎてどこから手をつけていいのかわかりません。美しく盛られているので、崩すのがもったいないという気持ちも湧いてきます。すると、宇都宮さんがきれいな食べ方を教えてくれました。
まず、そうめんを小皿に取ります。
続いて魚をほぐし、小皿に盛ります。
各種具材を小皿に盛り込んで、冷やしためんつゆをかけたら準備はバッチリ。
口に含むと、甘辛いめんつゆが舌を刺激。濃い口で箸が進むタイプの味つけです。そして驚いたのが、口のなかいっぱいにふくらむ濃厚な魚介の風味! 麺と一緒に食べた鯛の味わい、だけではなさそうですが……
宇都宮さん「鯛をはじめとした数種類の魚のアラと、干ししいたけを出汁に使っています。一般的なめんつゆの出汁には、かつお節や昆布しか使いませんから、珍しい味かもしれません」
このめんつゆ、確かに知っているようで知らない味。添えられた干ししいたけも甘辛く煮込まれていて、かみしめるたびに味が染み出します。そうめんと言えば、氷水に入れためんを冷たいつゆにつけて食べるシンプルな料理ですが、これは似て非なるもの。「そうめん観」が覆される味わいです!