別府市が「留学生数日本一」になった結果、街はどう変わったか
昭和末期から衰退していた別府温泉を救った留学生
「住んでよし 訪れてよし アジアを結ぶONSEN都市」をキャッチフレーズに町づくりを進める別府には強力なライバルがいる。女性に人気の高い湯布院温泉だ。日本人団体客を主なターゲットにしていた温泉街は1970年代後半から観光客が減りはじめ、寂れていった。
「終わっている」とささやかれた時期が続いたが、21世紀に入り少しずつ活気を取り戻している。その原動力となったのは留学生たちだ。彼らが温泉街の通訳や観光ガイドを務めることで、海外、とくにアジアからの観光客が大勢訪れるようになった。
外国人観光客は1人当りの消費額が日本人よりも高い。宿泊客で1.37倍、日帰り客で2.54倍だ(市の「平成24年観光動態要覧」より)。2011年には別府港第4ふ頭が完成。大型クルーズ船が接岸できるようになり、富裕層の姿も増えている。