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別府市が「留学生数日本一」になった結果、街はどう変わったか

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2014.12.05 16:43
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大分県別府市は温泉湧出量・源泉数ともに日本一を誇る。この温泉都市にはもう一つ日本一がある。人口に占める留学生の割合が全国の市区で最も高いことだ(同市調べ)。

昭和の残る別府の街並み
昭和の残る別府の街並み

昭和末期から衰退していた別府温泉を救った留学生

「住んでよし 訪れてよし アジアを結ぶONSEN都市」をキャッチフレーズに町づくりを進める別府には強力なライバルがいる。女性に人気の高い湯布院温泉だ。日本人団体客を主なターゲットにしていた温泉街は1970年代後半から観光客が減りはじめ、寂れていった。

「終わっている」とささやかれた時期が続いたが、21世紀に入り少しずつ活気を取り戻している。その原動力となったのは留学生たちだ。彼らが温泉街の通訳や観光ガイドを務めることで、海外、とくにアジアからの観光客が大勢訪れるようになった。
外国人観光客は1人当りの消費額が日本人よりも高い。宿泊客で1.37倍、日帰り客で2.54倍だ(市の「平成24年観光動態要覧」より)。2011年には別府港第4ふ頭が完成。大型クルーズ船が接岸できるようになり、富裕層の姿も増えている。

若い日本人も再び注目

人が人を呼ぶのだろう。別府駅の「北高架商店街」はオシャレな雰囲気の店がオープン。昭和な雰囲気とアートが融合した町として、じわじわ人気を集めている。

シャッター通りと化した商店街の空き店舗を低額で貸し出す施策も行っていて、学生たちや卒業生らは故国の料理店や雑貨店を開いた。韓国、タイ、インドネシアのバリ、インド......これらの料理は入湯後の観光客の楽しみの一つになっている。

ここ数年、観光業者の間ではイスラム教徒をターゲットにした「ハラル市場」が熱いが、イスラム教で食べることを許された食材(ハラル食品)だけを使った飲食店が大分県別府市に2012年オープンしている(店主は別府大学卒業のバングラデシュ人)。

外国人観光客のマナーの悪さを指摘する声もないではないが、訪日外国人が増えているのは別府だけではない。日本中で右肩上がりに増えており、2013年は1000万人の大台に乗った。2014年は10月末で1100万人を突破している。円安傾向でこの勢いは当面続くだろう。

日本の文化の良さを外国人旅行者が知り、リピーターが増えるようになれば、多くの観光地が活気づく。その先駆者として別府は新しいモデルを築くことができるだろうか。

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