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河童の祟り!? 350年「きゅうり」を禁じた三重県の村

ご当地テレビ視聴隊

ご当地テレビ視聴隊

2014.09.23 06:56
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[ドデスカ!-名古屋テレビ]2014年9月10日放送の全力リサーチのコーナーで、きゅうりを絶対につくらない地域を紹介していました。

河童のせいで「きゅうり」が作れない!?

ある伝説によって、きゅうりを作ってはいけない地域が三重県熊野市にあるとのことで、調査しました。

熊野市の道の駅でお聞きしたところ、その地域は熊野市の小阪・平地区だとのこと。現在は11世帯しか住んでいない地区に、「かっぱの石碑」を発見。

この地域にはどうやら「河童伝説」があるそうで、平地区の河童伝説に詳しい桒原清志さんにお話しを伺いました。

河童伝説とは――江戸時代、きゅうり作りが盛んだったこの地域、子供も飼っている牛でさえもきゅうりを食べていたという。

食べ終わったきゅうりのヘタだけを川に捨てていたのだが、川で牛がおぼれる事故が多発。

原因はきゅうりのヘタばかり捨てる村人に、河童が大激怒したこと。

それを知った村人が、今後村ではきゅうりを作らないことを河童と約束した――というもの。

以来350年以上、きゅうり作りを禁止していたそうです。

きゅうり作り解禁!伝統やぶりのきゅうりはおいしい!?

地域の方にお話しを伺うと、「子供や孫を川に行かせるだけでも怖い」、「今日はきゅうりを食べてないか?とみんなに確認しなければ川に入れなかった」など年配の方から、「色んな所に色んな伝説があるから」「そんなに真剣に聞いていなかった」とおっしゃる比較的若い方まで思いは様々な様子です。

しかし350年以上も守られてきた、河童との約束にも近年新展開が......。なんと現在では掟を破って、きゅうり作りをしているとのこと。

実はこの地域は雨が多く、きゅうり作りに最適な土地なのです。そこで1980年代初頭にきゅうり作り再開の話が浮上しましたが、掟の解禁を巡り話し合いは紛糾しました。

長老を中心に「罰があたる」と多くの人々は反対し、決着がついたのは30年前でした。かっぱの石碑を作り、近くのお寺の住職にお祓いをしてもらい、きゅうり作りの許可を得たのです。

桒原さんにお聞きすると「350年の伝統を破ったきゅうりだから、おいしいよ!」とのこと。

地域活性化のため、きゅうり作りを解禁しましたが中にはこんな方も。

「母の遺言で、他の人がきゅうりを作っても、うちだけは作るなと言われている。うちだけ、一軒だけでもきゅうりを作らず食べずにいたら、もう溺れる人はいないんじゃないかなと一人でも守り続けている」とこの地域にお住まいの杉下悦夫さん。

現在この地域できゅうりを作らない杉下さんの家のみ。河童との約束を守り続ける人がいることによって、平地区の平和は守られているのかもしれません。(ライター:神谷祐美)

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