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温泉と生ゴミがコラボする「温泉エネツーリズム」とは?

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2014.07.14 18:28
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東北大学プレスリリースより
東北大学プレスリリースより

2014年7月1日、宮城県大崎市にある鳴子温泉ゆめぐり駐車場で「エネカフェ メタン」がオープンした。これは東北大学大学院農学研究科の「温泉熱を活用した生ごみからのバイオマスエネルギー生産」の研究を基に生まれたものだ。

生ごみからエネルギーをつくるには、嫌気性微生物による発酵によってメタンガスを発生させる。メタン発酵を効率よく行うためには発酵タンク内を35度から55度に保たなければならない。かつては発酵タンクを加温するために灯油燃料などが必要だった。

つかるだけ? MOTTAINAIよ 鳴子の湯

そこで着目したのが鳴子温泉。「温泉の廃湯を活用することで、発酵タンク内の温度を一定に保ち、メタンガスを効率よく発生させることができる」と同大学大学院准教授・多田千佳氏は語る。

資源となる生ごみは、温泉の宿泊客が食べ残した残飯を活用する。その生ごみを、宿泊客自ら運んでくれれば、運搬コストもかからない。そのための拠点となるのが「エネカフェ メタン」だ。

生ごみ持参で訪れる客は、まずカフェ隣接の発酵タンクに生ごみを投入。あとはカウンターに設置されたガスバーナーで、温泉熱で80度に温めていた湯を沸騰させる。紅茶かエノキ茶か、好みの1杯が無料で飲める、という仕組みだ。会員登録が必要。

また発酵後にタンク内に残る最終産物は、リン、カリウムなどを含む液肥として、敷地内でミニトマトの栽培に活用している。希望者には無料提供も。

メタン発酵で広げよう「温泉エネツーリズム」

全国には500以上の温泉観光地があると言われる。その多くは中山間に存在しているため、大量の生ごみを収集することが難しく、大規模なメタン発酵システムを導入するのは合理的とは言えない。

鳴子温泉で試みられている小規模メタン発酵は、観光客参加型の原料収集システムであり、消化液の液肥利用などの副産物もあり、経済性・エネルギー性の総合評価は高い。「全国各地の温泉観光地で取り入れてもらえる可能性がある」と、多田准教授は語る。

このプロジェクトの詳細については、ブログ「温泉エネツーリズム!観光客参加型食べ残しメタン発酵温泉エネツーリズム構築のための研究in鳴子温泉」で参照のこと。

また「東北大学イノベーションフェア2014」のプレゼンテーション動画は、YouTubeで閲覧できる。

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