崖っぷちローカル線を変えた53歳「鉄道ファン」社長が凄すぎる
2014.02.23 07:00
自治体が見捨てたローカル路線
いすみ鉄道は毎年1億円以上の赤字が出ていた。それを県や市からの補助金でなんとか支えていたが、2007年ころから廃線が検討されるように。当時の取締役は次のように語る。「これ以上赤字を補填するわけにはいかない。生活路線としては成り立っていかないと、県からも廃線を迫られていた」。
このニュースに沿線住民が立ち上がった。存続を求める運動がわき起こったのだ。2009年、民間の経営感覚を取り入れるため、社長を公募することに。応募者数123人の中から選ばれたのは鳥塚亮さん(53歳)。その年の6月に社長に就任した。
元外資系航空会社社員だった鳥塚社長は、応募した動機をカメラの前で打ち明ける。
「子供のころは新幹線の運転手になりたかった。鉄道ファン、ローカル路線のファンが喜ぶような仕組みづくりをこの路線でやっている、ということですね」
実は鉄道ファン――愛着から赤字ローカル線の再生という仕事に飛び込んだ。そしてその再建策も、鉄道ファンならではの視点を生かしたものだった。