崖っぷちローカル線を変えた53歳「鉄道ファン」社長が凄すぎる
2014.02.23 07:00
鉄道マニアを魅了するものとは
午前9時の大原駅。切符売り場には長蛇の列ができている。先着12名の急行指定席は早々に完売した。9時20分に列車は出発。指定席だけでなく自由席も満席だ。
郷愁をかきたてながら田園風景を走る。途中駅に着くやいなや、乗客は次々とホームに飛び出し、今まで乗っていた列車にカメラを向けて一斉にシャッターを切る。千葉市在住の鉄道マニアは毎月のようにやってきて、撮影スポットで一心不乱にシャッターを切る。彼が狙っているのは「キハ(旧国鉄時代のディーゼル車)」。小雪がちらつく冬の里山で2時間待ちをしていた。
江口が車内を見渡すと、壁にプレートが多数取り付けてあるのに気づく。一口5万円提供すると、車両オーナーとして掲示されるのだ。
「本来は地元の人たちの足だが、それだけでは立ち行かなくなっている。観光鉄道として走らせ、応援してもらうことで、鉄道が成り立っていく仕組みを作った」(鳥塚社長)
いすみ鉄道はこのタイプの車両を2010年に導入し、乗客数は約20%増加したという。