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「平均貯蓄額1位」の自治体は、滋賀の無名の町だった!

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2013.12.10 18:02
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全国で一世帯当たりの平均貯蓄額が最も多い地方自治体はどこか。東京都心の港区か、世田谷区か。それとも関西一の高級住宅地がある兵庫・芦屋市か。

答えはどちらもノーで、滋賀県東部の愛荘町(あいしょうちょう)が全国1位だ。ほぼ無名な町がなぜトップなのか。2013年12月8日放送のバラエティ番組「スパニチ!!」(TBS系)が、その理由に迫った。

2587万円は、全国平均の2.8倍

町のPR看板(ブログ「滋賀県湖南市・看板屋の気まぐれ日記」より)
町のPR看板(ブログ「滋賀県湖南市・看板屋の気まぐれ日記」より)

愛荘町は、愛知川町(えちがわちょう)と秦荘町(はたしょうちょう)の合併により2006年に誕生した。あまりの無名っぷりに危惧を抱いた町が、2011年にPR看板を設置したほどだ。

ところがこの看板が違法設置だったことが判明したという笑えない事件もあり、町長は工事費250万円を町に返せと住民から訴えられている。

平成21年全国消費実態調査によると、愛荘町の平均貯金額は2587万円で、全国平均925万円の約2.8倍だ。出演者の1人・ピースの又吉直樹は「僕らの知らない間にビル・ゲイツが住民票を移しているのかも」とボケた推理をしていた。

平均年収は約410万円で、全国平均約480万円を下回っている。しかし番組がある豪邸で預金通帳の1つを見せてもらったところ、残高は1204万円だった。全ての口座の残高を合計すると3000万円以上もある。家の奥にある金庫には現金300万円も入っていた。

近江商人の質素倹約が息づく

番組が自治会を通じて町民アンケートを実施したところ、約500通の回答があり、現在の貯金額の平均は約3000万円だった。

なぜこんなに貯金が好きなのか。愛荘町は近江商人を多く生み出した地域で、質素倹約の精神が現在も受け継がれている。利息の発生するローンやカード払いではなく、現金一括払いが好まれる。町にある銀行の支店長は次のように証言する。

「あるときに2億円の土地の売買があった。何度も買い手のところに通って熱心にローンを進めたが、2億くらいなら何とかなるといって現金で土地を購入した。銀行が商売するには厳しい土地柄だ」

日本図書協会調べによると、愛荘町の図書館の1人当たり年間利用日数は、全国2位の17.5件。借りられる物にお金を出す必要なし、という徹底した倹約ぶりがここにも表れている。

土地を売って大金を得た人も

貯金額の押し上げには、町の立地も関係している。国道8号線や名神高速が町を通り、京都や大津、彦根といった都市に通うのに便利なため、住宅を求めて移り住む人が増えている。代々ここに住む住民が土地を売却したため、貯金額を押し上げたのだ。

大金を得ても贅沢することなく、倹約に励む――。いたって素朴な町並みの愛荘だが、近江商人の教えを忠実に守り富を築いている証しなのかもしれない。

愛荘町の風景(ブログ「画餅作業室日報」より)
愛荘町の風景(ブログ「画餅作業室日報」より)
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