「横須賀へ、全速前進!」 50キロ離れた東小金井駅が、突然「大海原」に繰り出した

2017年6月15日 06:00

JR東日本・中央本線の東小金井駅(東京都小金井市)で2017年6月某日、プラットホームの電光掲示板が「おかしなこと」になっていた。

提供:むさドリ(@MusashinoLine)さんのツイッターから
提供:むさドリ(@MusashinoLine)さんのツイッターから

「全速前進!ヨーソロー!」

ホームの電光掲示板といえば普通、出発時刻と行き先などを表示したり、「駆け込み乗車はお止めください」と注意喚起を行ったりするものだろう。しかし、この電光掲示板はなぜか、まるでこれから大海原に繰り出そうとする船乗りのような掛け声を発している。Jタウンネット記者は、JR東日本のグループ会社に理由を聞いてみた。

「東小金井駅に勤務している社員が発案した」

むさドリさんとは別のツイッターユーザーも2017年6月11日、「横須賀へ、面舵いっぱい」と書かれた掲示板の写真を投稿しており、そのツイートは「リツイート」9300超、「いいね」1万3000超(いずれも14日夕時点)の反響を呼んでいる。投稿者は「どこの駅?」とのリプライに、東小金井駅と返答している。

そこでJタウンネット記者が12日、JR東日本の本社と、東小金井駅を管轄する八王子支社に話を聞いてみると、同駅の駅員が行ったものだと分かった。記者は八王子支社に勧められ、その駅員が所属するグループ子会社のJR中央ラインモールに話を聞いた。

同社の広報担当者によると、横浜支社(JR東日本)と横須賀市のタイアップによる、アニメ「ハイスクール・フリート」のスタンプラリー企画を宣伝するのが目的だったという。

アニメ「ハイスクール・フリート」(C)AAS/海上安全整備局
アニメ「ハイスクール・フリート」(C)AAS/海上安全整備局

「東小金井駅に勤務している社員が発案して流しました。スタンプラリーを案内するためです」

実際、どんなメッセージが流れたのか。あかぎ特快(@redcastlenabru)さんが電光掲示板を動画に収めていた。

「横須賀線沿線において、6月1日から6月30日まで『ハイスクール・フリート』スタンプラリーを開催します。土日のご参加は、おトクな『休日おでかけパス』をぜひお買い求めください。横須賀へ、面舵いっぱい全速前進!」

動画では、こんなメッセージが掲示板で流れる。

「ハイスクール・フリート」のスタンプラリーは、6月30日まで開催中。JR東日本の主要な駅で配布される台紙を入手し、川崎、横浜、磯子、大船、平塚、国府津、逗子、横須賀駅と衣笠商店街サービスセンター(衣笠駅最寄り)に設置されたスタンプを押すと、アニメのクリアファイルやウエストポーチなど、景品の抽選に応募するハガキが手に入る。

スタンプラリーの台紙(C)AAS/海上安全整備局
スタンプラリーの台紙(C)AAS/海上安全整備局

同アニメは約100年前の仮想空間を舞台に、日本国土の大半が海中に沈んだ世界が描かれる。海上都市が増えて海軍大国となった日本で、海を守る職業を養成する学校(神奈川県横須賀市)に入学した女子生徒たちの話だ。「横須賀へ、面舵いっぱい全速前進!」と掲示板に表示されたのも、そういうアニメだったから。にしてもなぜ、横須賀駅(横須賀線)とは路線の異なる東小金井駅(中央線)でこうなったのか。

「『休日おでかけパス』は、ある一定の距離以上で使用すると安くなるサービスです。東小金井から横須賀まで距離があることですし、ちょうど良いだろうと思いました」(担当者)

東小金井駅から横須賀駅までは、直線距離で約50キロ。それだけ離れていても、両駅ともに「休日おでかけパス」(大人2670円)のフリーエリア内なので、スタンプラリーにはうってつけというわけだ。

なおメッセージが掲示板に表示されたのは、6月10~12日の3日間。以後、こうしたメッセージを流す予定はないという。

むさドリ(@MusashinoLine)さんのツイッターから
提供:むさドリ(@MusashinoLine)さんのツイッターから

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