愛媛県在住の50代女性・Yさんは、30年以上前に出会った女性に、お礼を伝えたいと考え続けてきた。 それは、彼女が娘を出産する前夜のこと。病院で陣痛に苦しんでいると......。 産婦人科に入院中のこと(画像はphotoAC) <Yさんからのおたより> 第二子を出産した日のことです。 朝、破水をし入院しましたが、個室が空いておらず相部屋で陣痛に耐えていました。 夜9時を過ぎた頃、隣のベッドにも陣痛の始まった妊婦さんが入院してきたようでした。 隣の妊婦には母親が付き添い... 隣の妊婦さんには母親が付き添っていました。 私には付き添いがおらず、7~8分おきにやってくる痛みに、できるだけ声を出さないよう一人耐えていたつもりでしたが、カーテン一枚で仕切られたお隣は嫌でもわかったに違いありません。 消灯した薄暗い病室のベッドで苦しんでいると、ふと腰があたたかくなりました。 隣の妊婦さんのお母さんが、私の腰をやさしくさすってくれていたのです。 陣痛で苦しんでいると(画像はphotoAC) 「えっ!」と驚く私に、「うちの娘はまだそんなに陣痛きてないから大丈夫。それに3番目だし慣れてるから。それより、あなたつらそうね」と......。 その手はとてもあたたかく、大袈裟な表現でなく、本当に陣痛の痛みが半減しました。 家庭がうまくいっていなかった当時 隣のお母さんは、時間にして30分くらいは私に付いていてくれたでしょうか。 陣痛と陣痛の間ではやさしく色々と話しかけてくれました。 赤ちゃんのことを聞かれたので、女の子の予定だと答えると、「うちは今度もまた男の子だから、いいわねぇ。がんばって」と励ましてくれたのを覚えています。 当時、家庭がうまくいっておらず心がすさんでいた私。不安で心細い中でのお産だったので、人の優しさに涙が出ました。とても有り難かったです。 そして翌朝、無事出産しました。 翌朝、赤ちゃん誕生(画像はphotoAC) 小さな産婦人科なので、すぐまたお会いできると思っていましたが、結局お礼を伝えられないまま退院してしまいました。 どこかでいつか再会できるのではと思い、誕生日が娘と同じで兄が二人いる3番目の男の子が周りにいないか、クラス変えの度に娘に確認していましたが、案外世間は広く出会えずじまいです。 あの方に伝えたいです。 1990年10月27日、愛媛県今治市のH産婦人科にて出産した娘には、あなたの優しさに支えられて生まれてきたことを伝えて育てました。お陰様で優しい娘に育ちました。 本当にありがとうございました。 あなたのことはずっと忘れません。 あなたの「やさしい思い出」、聞かせて! 名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな誰かに伝えたい「ありがとう」や「ごめんなさい」、あるいは「どんなもんだい!」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。 Jタウンネットでは読者の皆さんの「『ありがとう』と伝えたいエピソード」「『ごめんなさい』を伝えたいエピソード」「親切自慢エピソード」「親切目撃談」などを募集している。 読者投稿フォームもしくは公式X(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのか、どんなことをしてしまい謝りたいのかなど、500文字程度~)、体験の時期・場所、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。 読者投稿フォームから送る 公式XのDMで送る メールで送る (※本コラムでは読者の皆さんに投稿していただいた体験談を紹介しています。プライバシー配慮などのために体験談中の場所や固有名詞等の情報を変更している場合がありますので、あらかじめご了承ください)