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「入社してすぐ〝無茶な仕事〟を任された私。依頼に行った町工場で泣いてしまうと、担当のおじさんが...」(東京都・40代女性)

Jタウンネット読者

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2025.08.06 13:30
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「採算が合わない」

「キャップだけでなく、パッキンだって必要だし、こんな短納期でこの金額じゃあとても採算が合わない。折角来てもらったのに悪いけど無理だね」

そう言われてしまい、交渉するとかそんなこと頭にもなかった私は、「そうですか」とあっさり帰ろうとした。するとおじさんが、こう言ったのだった。

「他を当たっても引き受けてくれるところはないと思うよ。お宅の上司も随分無茶なことをやらせるね。あなた名刺も持っていないって、入社したばかりなの?」
工場では難しいといわれて...(画像はphotoAC)
工場では難しいといわれて...(画像はphotoAC)

それに答えているうちに涙腺が緩みだし、「そんな会社辞めて早くお嫁にでも行ってしまいなさい」というようなことまで言われて、(そうしたくても彼氏だっていないのに)と辛さがこみ上げてきて、差し出されたティッシュで音を立てて鼻をかませてもらう始末だった。

仕事中に涙がこみあげてきてしまい...(画像はphotoAC)
仕事中に涙がこみあげてきてしまい...(画像はphotoAC)

結局、おじさんは、その不採算な依頼を引き受けてくれた。

一度緩んだ涙腺はなかなか元に戻らず、帰りのバスや電車の中、会社に戻ってからトイレの中でも......。

誓って言うが、厳しい父に育てられた私は、泣いたらわがままが通るなどとは決して思っていない。子供の頃から本当に泣き虫なだけなのだ。

おじさんの技術と懐の深さに敬意と感謝を
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