「高速道路を走行中、パトカーに止められた父の車。スピード違反と思いきや、先行車の通報で...」(東京都・30代女性)
東京都在住の30代女性・Mさんは小学生の頃に虐待から保護され、児童養護施設で育った。
保護されるきっかけになったのは、父が運転する車で高速道路を走行している時の出来事で......。
<Mさんからのおたより>
子供の頃、父に暴力を振るわれていました。
当時、児童虐待防止法はまだ制定されておらず、児童虐待は家庭内の問題という認識の時代。
学校の先生に助けを求めても助けてはくれず、ただひたすらと殴られている毎日を送っていました。
いつしか、大人たちへの不信感・絶望感でいっぱいになり、生きていることさえ苦痛に感じるほどに。
そんな状況が変わったのは、小学校低学年の頃でした。
運転中も父に暴力を振るわれて
その日、父は私を車の助手席に乗せ、高速道路を走っていました。
そして、私に暴力をふるいはじめました。
いつものことなので、私は泣きながら暴力がとまるのを待つことしか出来なかったのですが、突然、パトカーに停止を求められました。
父はスピード違反で止められたものだと勘違いしていましたが、そうではありませんでした。
前を走行していた車を運転していた男性が、通報してくれていたのです。
その運転手さんも、同じタイミングで警察の誘導に従って停車し、父に話しかけてきました。
「自分の子供だろ!大切にしろ!子供の心を壊すようなことをするんじゃない!」
と父に対して怒ってくれたのです。
見知らぬ大人に助けてもらえた
助けてもらったことは初めてで、何が起きたのかよく分かりませんでしたが、「見知らぬ大人に助けてもらえた」ということだけは分かりました。
その出来事がきっかけで私は保護され、暴力によって骨折していたところを治療することも出来ました。
そして、18歳まで児童養護施設で過ごし、無事に大人になることができました。
あの出来事は今でも私の心の中で生きていて、支えとなっています。
直接お礼を言えなかったので、この場を借りて「ありがとう」を伝えたいです。
生きることを諦めないでよかったと思っています。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな誰かに伝えたい「ありがとう」や「ごめんなさい」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
Jタウンネットでは読者の皆さんの「『ありがとう』と伝えたいエピソード」「『ごめんなさい』を伝えたいエピソード」を募集している。
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