「大学入試の帰りに出会った女学生・Fさん。色々話したけど連絡先を聞かず、1年後...」(沖縄県・40代男性)
電車で叔父が「さっきの子がいるぞ」
恥ずかしいやら申し訳ないやらでお礼を言っているうちに駅に着き、バスを降りてもう一度お礼を言っていると、人混みの中で叔母と叔父が二人で私を見つけて駆け寄ってきました。
Fさんが傘へ入れてくれたことを叔父と叔母に話し、またお礼を言いつつFさんとはお別れして、電車に乗って大阪へ。
電車の中で社交的な叔父の隣に座って試験の出来など話していると、叔父が私の頭越しに少し離れた席に目をやって「さっきの子がいるぞ。電話番号とか聞いたか?」と聞いてきたので「それはない」と返すと「お話してこい」と。
私が振り返ってFさんを見ると、ちょうどFさんもこちらに気がついて隣の空いている席に手招きしてきたので、多分、連絡先とかは聞かないけど、せっかくなのでお話はしたいなと思ったので、隣の席へ座りました。
それからお互いの高校生活のことや、私は空手部でFさんは剣道部であることなど話しているうちに、あっという間に大阪へ入り、Fさんは鶴橋駅で乗り換えということで降車していきました。
Fさんが電車を降りて右手へ進んでいくのを車中から見送り、また叔父の隣へ戻って座ると、電車もFさんが歩いていった方向へ進み始め、ホームから改札へ上る階段のそばでFさんが待っていて手を振っているのが見えました。
まだスピードも出ていなかったので、Fさんも私を見つけられたらしく、見えなくなるまで小さく手を振っていました。