「大学入試の帰りに出会った女学生・Fさん。色々話したけど連絡先を聞かず、1年後...」(沖縄県・40代男性)
大荷物を持って試験会場へ...帰りには雨
翌日は試験後ホテルに戻らずそのまま大阪へ行くので、早朝、冬物衣類の詰まった大きなバッグを持ってチェックアウトして試験会場へ向かいました。
試験を終えてバスで駅へ向かうためたくさんの受験生が並ぶ列に加わり、しばらく待っていると薄曇りだった空がまさかの雨模様に。
身体が濡れるのはあとでどうにでもなるが、着替えなどが入っている防水でもないバッグが濡れるのはとても困ると思っていた矢先、後ろから肩をトントンとされ、「傘入りませんか?」と声をかけられました。
振り向くと一人の女生徒(以下、Fさん)が傘を傾けていました。
正直とても驚いて、悪いので断ろうかと思いましたが、バッグが気になったので「すみません。バッグだけでも」とFさんと私の間にバッグを挟ませてもらうことに。
「寒いですね」とか「試験できましたか?」とか他愛もない会話をしながら10分ほど待ってようやくバスに乗車。満席で座ることができなかったので中央の通路に二人並んで立って乗っていると、Fさんが「洋服、びしょ濡れじゃないですか!」。
バッグを濡らさず身体も濡らさないほど私が傘に入ると、確実にFさんも濡れてしまうので、右半身は傘の外に出していたのですが、バスに乗り込んだあとに私の右側にFさんが立つ形になったので気づかれてしまったのです。
Fさんはハンカチを取り出し、私の右腕や背中の水滴を拭いてくれました。
「大丈夫ですよ」とハンカチをそっと押し戻しましたが、「大丈夫です」と言って水滴が目立たなくなるまで拭ってくれました。