謎すぎる〝石の紹介看板〟に7.2万人注目 「どんな人がこの文章を考えたんだろう 」「人の愛が沁み込んでいる」
茨城県の那珂川の近くには、「幸運な丸い石」がある――。
そんな情報がX上に投稿され、注目を集めている。
「幸運〝の〟○○」ならよく聞くが、「幸運〝な〟丸い石」とは? 石が幸運ってこと......?
Xユーザーのリーチャ隊長(@rietzscha)さんが2025年1月6日に投稿したのは、木々の根本付近に転がる、大きな丸い石の写真。そのすぐ横に設置された立て看板には、こんな文言が描かれている。
この石はトンネル内から出てきた幸運なまん丸い石です。
さわってあげましょう。
文面を見るに、「幸運なまん丸い石」=「まん丸のまま出てきた石で、それゆえにこの石は幸運なのである」という意味のように思える。そして......さ、さわってあげましょう!?
一体、どういう経緯で発見され、そして展示されているのか。この石を可愛がってほしい人がどこかに存在しているのか。
石の謎を探るため、Jタウンネット記者は7日、まずは発見者であるリーチャ隊長さんに話を聞いた。
中に化石が入ってる?
「かわいすぎる。さわってあげましょうって何。この子が幸運なのは分かるがさわってあげるとどうなるの!かわいすぎる」
と興奮気味に呟いていたリーチャ隊長さんが〝幸運なまん丸い石〟と遭遇したのは6日のこと。
実はこの石、Googleマップ上に「幸運なまん丸な石」という名の史跡として登録されている。
リーチャ隊長さんもGoogleマップでその存在を知って興味を引かれ、茨城県常陸大宮市の茨城県道・栃木県道212号赤沢茂木線沿いでで触られるのを待っているその石の元へ足を運んでみた。
「触ったら硬かったです!」(リーチャ隊長さん)
この石について常陸大宮市役所に尋ねたところ、観光ボランティア団体「御前山・那珂川地域案内人」の代表・皆川善廣さんを紹介してくれた。
11日、記者の取材に皆川さんが応じた。
皆川さんによると、石が発見されたのは2011年。1996年に着工、2011年に完成した「御前山ダム」の取水放流管(ダムの水を河川に放流するためのもの)工事のトンネル内から出てきたのだ。
ダム堤防の直下50メートルを超える地中から掘り出された。工事がなければ発見されることはなかったものだったという。
「この石は『ノジュール』と言い、岩盤の中でできる丸形の石を指します。+イオンを核として-イオンを帯びた堆積物が丸く集まったもので、核となっているのは一般的には化石等が多いと言われています」(皆川さん)
工事では「幸運なまん丸な石」以外の「ノジュール」も発見されており、御前山ダム公園や、ダム管理棟の駐車場内にも置かれているそうだ。
ただ、「さわってあげましょう」の立て看板は「幸運なまん丸な石」の場所にしかなく、いつ誰が何の目的で設置したものかは「定かではありません」。
「鉄板に書かれ、看板屋さんが作られたと思われることから、当時の農林省常陸河川事務所が作成したものではないかと思われます。
発見されるはずもないものが発見されたため『幸運な石』として展示したものと思われます」
と皆川さんは推測を述べた。
きっと今までたくさんの人に撫でてもらってきたに違いない「まん丸な石」に、X上では7万2000件以上のいいね(15日夕時点)のほか、こんな声が寄せられている。
「しめ縄とか巻かれて遠巻きに眺められるよりも通りすがった人皆んなにいいこいいこ撫でられてる方が良いよね!かわいい」
「石が人に幸運をもたらすんじゃなくて『幸運を得た石だよ!』という世界観は良い。なでてやりたい」
「この石には雨水と埃が滲み込んでいるのではない。人の愛が沁み込んでいる」
「100回調べたら幻のポケモンが出てきそう」
「どんな人がこの文章を考えたんだろう きっと可愛い人」
このまま撫でられ続けたら、もっともっとまん丸になるかもしれない。