「看護師の義母にいじめられていた私。家から逃げ出したら、1台のタクシーが私のそばに止まり...」
涙を流しながら歩く私にタクシー運転手が...
なんとなくこの方向だろうという方へ向かい、2時間ほど。夕暮れのなか、寂しさから涙を流しながら歩きました。
すると、道路の反対車線の車がクラクションを鳴らして男の人が声を掛けてきました。私は怖くなり、走って逃げました。
しかし、暫くするとその車が引き返してきて私の傍に停車したのです。よく見るとタクシーでした。
「どぎゃんしたとや!」
運転手に声を掛けられました。
久しぶりに人からかけられた優しい言葉に、気づけば私は「お母さんのところに行きたい」と涙ながらに伝えていました。
運転手のおじさんは「よかけん! 送っていくけん車に乗り!」と言ってくれて、1時間ほど掛けて母と暮らしたアパートの近所まで送ってくれました。
しかし、やっとの思いでアパートにたどり着いたのに、母親は既に引っ越していたのです。
「俺 終わった」と子供ながらに絶望したことを、今でもはっきりと覚えています。