北海道名物「いかめし」&「利尻昆布」が〝やき弁〟参戦! いつもと違う「みそスープ」との相性も◎
マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界
第百四十一回 東洋水産「やきそば弁当 森町名物いかめし味」と「やきうどん弁当 利尻昆布だし醤油味」
文・写真:オサーン
カップ麺ブロガーのオサーンです。
「ご当地カップ麺」連載の第百四十一回目となる今回は、北海道のご当地カップ麺として知られる「やきそば弁当」シリーズの、新フレーバーをレビューします。
最近発売された「やきそば弁当 森町名物いかめし味」と「やきうどん弁当 利尻昆布だし醤油味」。どちらも北海道名物の味をやき弁で出すということで、"オール北海道"な商品ですね。
北海道のソウルフード「やき弁」の新フレーバー
道民に愛され、北海道土産や道外の北海道フェアなどでも定番の「やきそば弁当」。通称「やき弁」。
レギュラー商品は、ノーマル味に加えて「ねぎ塩味」「コク甘ソース」「たらこ味バター風味」「ちょい辛」の計5種。
ノーマル味は普通サイズに加えて麺量1.3倍の一般的な大盛サイズ「大判」、麺量2.0倍の超大盛「でっかい」の計3サイズ展開されています。
今回新たにラインアップに加わったのは、北海道・森町の駅弁としておなじみの名物料理で、こちらも北海道土産や北海道フェアなどでも定番の「いかめし」の味を再現した「森町名物いかめし味」と、北海道の利尻昆布を使用した焼そばではなく焼うどんの「やきうどん弁当 利尻昆布だし醤油味」の2品。
「やきそば弁当」といえば、戻し湯で作る「中華スープ」もしくは「コンソメスープ」が付いており、焼そばとスープを一緒に優雅な食事を楽しめるのが特徴。
......ですが、今回の2品には「みそスープ」が付いています。
今回は麺だけではなく、スープの味も要チェックですね。
「森町名物いかめし味」と「利尻昆布だし醤油味」の内容物
「やきそば弁当 森町名物いかめし味」の中身は「液体ソース」「かやく」「ふりかけ+特製カップスープ」の計3袋といつもの「やきそば弁当」より細めの油揚げ麺が入っています。
「やきうどん弁当 利尻昆布だし醤油味」には「液体ソース」「かやく」「ふりかけ+特製カップスープ」と、太めのうどん。
「ふりかけ+特製カップスープ」は「いかめし味」と同じものが入っているようです。
どちらも3袋のうち「かやく」が湯戻し前の先入れ。
戻し湯で作る「特製カップスープ」の粉末もあらかじめ別容器に準備しておきます。
「いかめし」の味を再現!「やきそば弁当 森町名物いかめし味」
まずは「やきそば弁当 森町名物いかめし味」を食べていきます。
「いかめし」は森駅の駅弁として知られ、森駅近辺の車内ではいかを煮た醤油の匂いが充満しているとかしていないとか。
森駅の「いかめし」と、今は駅弁ではなくなりましたが長万部駅の「かにめし」は、道央・道南方面の駅弁の大定番としておなじみです。
いかの風味を効かせた醤油味にみりんのコクや甘みを加えたソースで「いかめし」の味を再現しています。
ソースだけ舐めると「いかめし」の味の再現性が高くて素晴らしいのですが、味が比較的おとなしいためか、麺と合わせるといかの風味がだいぶ弱まってしまいます。
「やきそば弁当」のソースは基本的にあまり濃厚味ではなく、別添のスープと一緒に食べることで塩気が最適化される傾向があるので、あまり濃くするとその「やき弁」らしさが消えてしまうのかもしれませんね。
「ふりかけ」には七味唐辛子が入っており、それほど辛いわけではありませんが、やさしい味のソースに辛味や香りで輪郭をつけていました。
麺は中細で縮れのついた油揚げ麺。
いつもの「やき弁」の麺に比べてひとまわり細いですが、ややソフトの食感は引き継いでいました。
具はイカとキャベツが入っています。
イカもキャベツも、それなりにたくさん入っていました。
「いかめし味」なのでいかはそれらしい要素ですが、「めし」の方の再現はしていないようです。
北海道名産「利尻昆布」使用!「やきうどん弁当 利尻昆布だし醤油味」
続いては、「やきうどん弁当 利尻昆布だし醤油味」。
過去にも「やきうどん弁当」は発売されていたことがあり、その際は昆布ではなくかつおだしのソース味でした。
ソースは利尻昆布のだしを効かせた醤油味。焼うどんらしくだし風味や甘みを前面に押し出しており、多めの油脂と甘みが合わさりこってりしています。
「利尻昆布だし醤油味」と聞いてあっさりで穏やかな味を勝手に想像していたので、こってり濃厚なのは意外でした。
また、和風のだし醤油味の他にやや酸味を伴ったクセのある風味が感じられ、その正体はじっくり味わってみても原材料を見てみても何なのかはさっぱりわかりませんでした。
メーカーサイトにもその説明がないので、意図的にぼかしているのか、もしくは筆者の単なる勘違いなのか......。
ただ、そのクセのある風味があとを引く味を作り出しているようにも感じました。
「いかめし味」と同様、「ふりかけ」には七味唐辛子が入っており、辛いわけではありませんが七味の風味が焼うどん感をより高めています。
麺は太め幅広で縮れのついた油揚げ麺のうどん。
「やきそば弁当」の麺と同じくソフトな食感が特徴で、昆布だしのソースに対してやわらかく存在を主張しており、両者のバランスは良好でした。
具はキャベツのみ。
キャベツの量はまずまず入っていますが、七味唐辛子があるとはキャベツだけなのはちょっとさみしい印象。
具にコストを割けないほどソースや麺が充実しているようには見えなかったので、他の「やき弁」シリーズの商品に比べて少し見劣りしているように映りました。
「みそスープ」の味は?
さて、いつもの「中華スープ」や「コンソメスープ」ではない、「みそスープ」も飲んでみます。
これは、「いかめし」や「利尻昆布」との相性が考慮されたのかもしれません。
筆者はいつものスープ2種については、塩気が強くて「中華」や「コンソメ」の味がよくわからないと思っているのですが、今回の「みそスープ」はそれに比べると塩気が穏やか。
味噌味に加えてだしの魚介などの存在もよくわかる、ライトな味噌汁という感じでおいしかったです。
もちろん、いかめし味の焼そばや利尻昆布を使った焼うどんとも相性が良かったです。
今後も「やき弁」から和の味が登場したら「みそスープ」が付いてくるかもしれませんね。
北海道らしい商品
北海道の定番「やきそば弁当」から新たに発売された、北海道・森町の「いかめし」と、北海道・利尻名産の「利尻昆布」の味の2品。ともに北海道らしさが全開の商品でした。
北海道民はもちろん、北海道らしさを掛け合わせた商品は北海道土産として最適ではないでしょうか。
また、いつもと違う「みそスープ」は、試す価値アリです。