お肉を自分の陣地でジューッ! 見た目が〝超!エキサイティン!〟な焼肉用鍋が話題に
もともとは「兜」だったという説も
ちん9あきねおさんによると、「バトルドームっぽい調理器具」は、長野県の箕輪町、下諏訪町、岡谷市など、いわゆる諏訪地域と呼ばれるエリアにあるいくつかの焼肉店で見かけるものだという。
「昔から諏訪地域での焼肉屋として老舗のところではスタンダードだった」(ちん9あきねおさん)
別の投稿でちん9あきねおさんはこの器具について、最大4人が同時に使えるものだと解説している。1段目の4つに仕切られた場所ではそれぞれに自分用の肉を焼くことができ、中央の四角い容器では野菜を茹でることができる優れものだという。
記者は17日、更に詳しい情報を得るため、この形の調理器具を販売している東伸販売(本社:山形県山形市)にも話を聞いた。
同社代表取締役の山口直也さんによると、この器具の正式名称は「義経鍋」。ちん9あきねおさんの投稿でも説明されている通り、仕切られた鉄板をそれぞれの「陣地」として好みの肉を好きなように焼ける上、中央の鍋では水炊き野菜まで楽しめる。
中央鍋を回転させることによって空気の流入が変わり、鉄板と中央鍋の火力調節が可能。また、焼板には適度な傾斜があり油脂入れも設けられているため、肉の余分な脂を落とし、焼肉鍋独特の煙をある程度抑えることもできるのだとか。
「網で調理する場合に比べ、肉厚の鉄鋳物は牛脂がよく馴染み、火の回りが安定し熱が均一に入りますので、丁度良い高温で肉の旨味を閉じ込め、最高の状態の焼肉を楽しんでいただけます」(山口さん)
山口さんによれば義経鍋という名前は、かの源義経に由来しているそうだ。
「源義経公が平泉に落ち延びる途中、武蔵坊弁慶が雉を捕らえ料理し、義経主従一行が精をつけた事からヒントを得て考案され、工夫と改良により完成された製品です。
兜の頭を水炊き用、兜のつばを鉄板用に利用したといういわれがございます(諸説あり)」(山口さん)
なお、義経鍋の発祥は岩手県だがユーザーは日本全国に存在する、と山口さん。長野県でも多くの人が利用しているそうだが、中でも特に諏訪地域に広まっている理由については「わかりかねます」との答えだった。
いずれにしろ、これだけ高性能であれば愛好家が多いという話も頷ける。近所の焼肉屋さんでもぜひ導入してほしいと思ったのは、きっと記者だけではないはずだ。