「満席のバスで愚図る幼い兄弟。宥める母には地獄なのに、夫が『うるさいな、自分の子供くらい言い聞かせろ!』」(千葉県・50代女性)
「うるさいな、自分の子供くらい...」
間が悪くお兄ちゃんも駄々を捏ね、母親は2人を宥めるのに汗だく状態。小学生の男子を育てる私には、「公共の交通機関でこの状況は、お母さんにとって地獄だろうな」と大変さがよく理解できます。
しかしその時、私の隣に座っていた夫が長引く地獄絵図に「うるさいな、自分の子供くらい言いきかせろ!」と吐き捨てたのです。
私は夫の恥ずかしい行為に顔を背けることしかできず、母親もまた泣きそうな顔で周囲に謝罪を繰り返し、怒鳴られた子供たちは面食らって静かになりました。
車内は嫌な静寂に包まれ、5分程後に目的地に着いたときには、皆が胸を撫で下ろした様子でした。
私は、逃げ去るように駆け出す親子の背中に謝りながら、その場で夫を諫めなかったこと、諫めて口論となれば余計に周囲に迷惑になるのではと考えたこと、夫への失望が堂々巡り状態。この時のことは、一度も口に出さずに生きてきました。
ですが、自身の子が成人し、「育児終了」を迎えた先月。初めて夫にあの日の出来事について話すことに決めました。