「真夜中に宿から外に出た私。橋から川を見ていたら、いつの間にか横に立ってた老人が...」(長崎県・40代女性)
2024.02.13 08:00
「部屋に入るまで見届けるよ」
その時、「今考えてることやっちゃだめだよ」と、いきなり声が聞こえました。
びっくりして横を見ると、年配の男性の方が私に寄り添うように立っています。
「まず、手すりから手を離そう」
穏やかな声に促され、言われるがままベンチに座ると、その方が今一人旅をしていること、いろんなところでいろんな人に会ったことを話して聞かせてくれました。
最初は戸惑いしかなかったのですが、穏やかな優しい声にだんだん気持ちが落ち着いてきました。
それから一時間程取り止めもない話を続けた後、「さあ、そろそろ部屋に戻りなさい。僕も君と同じ旅館に泊まっているから、部屋に入るまで見届けるよ」とそっと背中を押して促されたのです。