山奥の廃校跡に佇むイチョウの木は、今も人々を待っている 高知・津野町のカフェ「イチョウノキ」まで会いに来て
2023年12月7日、X(ツイッター)に次のような写真が投稿され、話題となっている。
青空の下に悠然と立つイチョウの大木だ。黄色に色づいた葉をびっしりと付けた枝が、大きく広がっている。まんまるとしたフォルムが、なんだかかわいい。木の周りには、椅子が並べられているのが見える。
この写真は、を投稿したのは、「Aozora_ver」(@da_emi_)さん。こんなコメントが添えている。
「四国山奥の廃校小学校にある大銀杏」
廃校に立ち続ける木。何人の子供たちを迎え、見送ってきたのだろうか。その歴史を思うと、何となくしんみりしてしまう。
この大木は、どんな場所にあるのだろう。Jタウンネット記者は、投稿者の「Aozora_ver」さんと、現在のこの場所の管理者に詳しい話を聞いた。
イチョウと周りの田舎な雰囲気
投稿者「Aozora_ver」さんによると、イチョウがあるのは高知県高岡郡津野町にある廃校小学校跡。小学校ではなくなったあと、「農家食堂Caféイチョウノキ」として生まれ変わり、イチョウは今も人々を出迎え続けているらしい。
SNSでこの場所の魅力を知ったAozora_verさんは「今年は必ず行きたい」と思っており、念願かなって2023年11月23日に訪問することになったという。
「到着時は畑仕事をされている方もおり、話しかけると気さくに話をして下さり、坂を上がった上からも撮れると言われてそちらからも撮りました」
「銀杏と周りの素敵な田舎な雰囲気と太陽の光も空も美しい日でしたので合わせて撮りたいとこだわりました」
場所はもちろん、カフェのスタッフも本当に素敵だったと語るAozora_verさん。「来年も必ず来たい」と感じたそうだ。
次にJタウンネット記者は、「農家食堂Caféイチョウノキ」を運営する集落活動センター「奥四万十の郷」に電話取材した。
答えてくれたセンター長の中越一俊さんによると、この場所には「郷小学校」という学校があったが、人口減少による過疎化が進行し、廃校となってしまった。
その後2015年に、地域起こし・活性化を目的とした集落活動センターが立ち上がり、2017年にカフェがオープン。キッチンや食堂では、地元集落のお母さんたちが交替で働いているという。
通常は屋内で食事や飲み物を提供しているが、希望者には屋外で、イチョウの木の下でサービス。
投稿に寄せられていた「あのテーブルでまったりしたくなります」「ここで銀杏を見上げながらお茶したいです」などの願望は、どうやら実現可能らしい。
「地元特産の里芋を使ったコロッケや、野菜中心の「田舎のランチ」(1300円)が売り物です。サポートメニューとして、高知産の魚醤を使った「はいからうどん」(800円)も評判です。またおにぎりモーニング、ピザモーニングなど軽食も提供しています」(中越センター長)
清流として名高い四万十川の源流点や、白龍湖という真っ青な人造湖も近くにあるという。
美しい水辺を見に行く前やその帰りに、イチョウの木の下のカフェでくつろいでみてはいかがだろう。
ただ、今年のイチョウはもう落葉し、落ちた葉っぱの大掃除も済ませたそうだ。黄金色の世界を体験したいなら、次の秋までお待ちを。