茨城の喫茶店が「争いをなくすため」生んだメニューに反響 結局みんな「まるくてあまいやつ」だもの
2023年11月18~20日、ニンテンドースイッチ用シューティングゲーム「スプラトゥーン3」の第11回フェスが開催された。
プレイヤーたちが出題されるテーマに合わせて3つの陣営に分かれ、ポイントを競い合う「フェス」。今回、日本でテーマになっていたのは、"あの和菓子"の呼び方だ。
これが「回転焼き」か「大判焼き」か「今川焼き」か。お題が発表された8日、Xではこれらの名称のほか、このお菓子の他の呼び方もトレンド入り。「二重焼きの民は何処へ行けばいいですか」「御座候がない」「あじまんがないから参加しません」「ねぇ、おやきは...」といった声も上がり、フェスが始まる前から多くのユーザーが愛用の"呼び名"を主張した。
それぞれにこだわりがあるようだが......そんな戦いからいち早く下りた喫茶店が、茨城県に存在する。
その店のメニューが、こちらである。
「まるくてあまいやつ」
「まるくてあまいやつ」
"あの和菓子"の写真の横にそう書かれたメニュー表は、Xユーザーのしばジェアン(@wasp_house)さんが、スプラトゥーン公式アカウントのフェス告知を引用して投稿したもの。併せて「この件に関しては、知り合いのお店で一番和平的な表記が提案されておりましてぇ」と呟いている。
「まるくてあまいやつ」
特定の名前を使わないことで、論争を回避。その上で"あのお菓子"を的確に言い表す表記に、Xユーザーたちは感動。リプライ等でこんな声が寄せられた。
「長き争いに終止符が...!!!」
「まさか、日本人が血で血を洗う、あの命名抗争に、こんな解決方法が有ったなんて! 素晴らしい! よし、私も明日から今川焼き、もしくは大判焼きと呼ぶのはやめて、『まるくてあまいやつ』と呼ぶぞー!」
「やさしすぎる」
「まるくてあまいやつ」を提供しているのは茨城県土浦市にある「謎解き&ボードゲームカフェAsoVIVA JOKer」。記者は14日、オーナーの矢口優希さんに話を聞いた。
争いをなくす一手となるか?
謎解き&ボードゲームカフェAsoVIVA JOKerで「まるくてあまいやつ」の提供が始まったのは、21年12月11日のこと。何故「まるくてあまいやつ」にしたのか。その理由を、矢口さんは語る。
「争いをなくすために」
同店の店長は西日本出身で「回転焼き」派。オーナーの矢口さんは茨城出身で「大判焼き」派。スタッフ間でも呼び方が違うし、他にも呼び方がある。そこで、「いっそのこと新しい名前にしてしまおうとなりました」。
「まるくてあまいやつ」という呼び名は店長考案。今やすっかり定着し、「まるあま」と略す人もいるという。
現在同店では、「まるくてあまいやつ」は1個130円(税込み)で提供中。
ネーミングは他の店に真似をしてもらっても構わない、と矢口さんは言った。さて、これが論争解決の糸口になるか。それとも、新たな派閥(まるあま派)を生むことになるのか......。経過を見守りたい。