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「あまり良くない地区で新聞配達中だった僕。小汚い作業着のオジサンに『おい、兄ちゃん』と呼びつけられて...」(鳥取県・50代男性)

Jタウンネット読者

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2023.07.18 11:48
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「おい、兄ちゃん」と呼び付けられ...

まずは右も左もわからない町で、250から300軒近くの配達先を覚える事からスタート。学校に通い始めると、朝はまだ暗い2時には起き、授業を途中で切り上げて午後3時からは夕刊配達。配達が終われば折り込み作業。集金に拡張(営業)と毎日毎日、学業と仕事でヘトヘトだった。

もうダメだ、もう止めよう。学校も仕事も投げ出そう、と思っていたある寒い冬の日。

いつものように朝の配達をしていると、お世辞でもキレイとは言えない作業服を着たおじさんに「おい、兄ちゃん」と呼び付けられた。

突然呼びとめられて...(画像はイメージ)
突然呼びとめられて...(画像はイメージ)

その辺りはあまり環境の良く無い地域だったので、嫌な予感がした。

それでも「はい」と答えて恐る恐る近寄ってみると、おじさんは「兄ちゃんどこから来たんや」と聞いてきた。僕は「島根県です」と一言答えた。するとおじさんは

「そうか大変やな~、頑張りや」

と言って、ズボンのポケットから小銭を出し、近くにあった自販機にお金を入れ、温かい缶コーヒーを買ってくれた。おじさんは僕に缶コーヒーを渡すとそのまま寒そうにどこかに行ってしまった。

おじさんが立ち去ったあと飲んだ缶コーヒーは、自分の涙の味でしょっぱかった。でもとても温かかった。

あの缶コーヒーがなければ、きっと...
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