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「クソワロタ」「こんな感じで生きたい」 公園にある「キリン広場」に行ってみたら→予想外すぎる光景が広がっていた

井上 慧果

井上 慧果

2023.03.13 08:00
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「キリン広場」と聞いて、読者の皆さんが思い浮かべるのはどんな場所だろう?

今回ご紹介するのは、おそらくほとんどの人の想像の範疇を超えた「キリン広場」だ。

まさしく「キリン広場」ではあるが...(画像は寝耳(@nemimis)さん提供)
まさしく「キリン広場」ではあるが...(画像は寝耳(@nemimis)さん提供)

青いバイクを乗り回すイケイケのキリン。足を投げ出してくつろぐキリン。そのそばには小さな豚たち。

あまりにもユーモラスなキリンたちが、のびのびと過ごしているこの場所は、香川県高松市にある「栗林(りつりん)公園」の中にあるキリン広場。

2023年3月4日、ツイッターユーザーの寝耳(@nemimis)さんが「おっ!キリン広場なんてあるんだ!と見に来てこれを予測してた人いるんだろうか」と呟きながら投稿すると大きな注目を集め、

「クソワロタwww」
「いい単車転がしてんねぇ!!!!」
「バイク漫画のキリンを思い出した」
「なんか元気でた。こんな感じで生きたい」
「ここ行きたい!!」

など、様々な反応が寄せられている。

「まさかバイクを乗り回すキリンがいるとは...」

6日、Jタウンネット記者が寝耳さんを取材したところ、キリン広場を発見したのは4日の午前7~8時頃。

香川旅行の途中、朝から1時間ほどかけて栗林公園内を散策し、次はどこに行こうかと考えていたタイミングで「キリン広場」の看板が目に入ったのだという。

直前まで水音を聞きながら野鳥を眺めていた寝耳さんは「まさかバイクを乗り回すキリンがいるとは思いませんでした」と当時の衝撃を振り返る。

「ギャップが面白くてしばらく眺めていたのですが、よく見てみるとポーズや表情がすごくいいんですよね。見れば見るほどこの空間の日常感というか、背景にあるキリンたちの生活が地続きに見えてくるようなこないような...」

気づけばキリンの虜となり、寝耳さんはその場で15分ほど足を止めていたそうで、「ぜひ現地でその温度感を味わってほしいですね」とも語っていた。

見ていると、キリンたちの楽しげな「生活」が浮かびあがってくる(画像は寝耳(@nemimis)さん提供)
見ていると、キリンたちの楽しげな「生活」が浮かびあがってくる(画像は寝耳(@nemimis)さん提供)

見た人を魅了するキリンたちは、いったいナニモノなのか。Jタウンネット記者が9日、栗林公園観光事務所・所長の谷久利香さんに聞くと、かつてこの場所にあった動物園が関係していると教えてくれた。

動物園は2004年に惜しまれつつ閉園し、その後は石碑が置かれていた。だが、それだけだとあまり人々の目に留まらないのでは、と考えていたという。

「動物園が閉園してからしばらく経って、ここに動物園があったことを知らない人も増えてきました。特に今の子供たちは知らないと思います。何かもっと、ここに動物園があったということを残せるような、目で訴えられればいいなと考えて、キリン造形作家の岡山さんに作品を置いてもらえないかと、お願いしたんです」(谷久所長)

そして2022年7月、栗林公園動物園跡地に、キリンがやってきた。

石碑と、腰かけるキリン(画像は栗林公園公式ツイッターより)
石碑と、腰かけるキリン(画像は栗林公園公式ツイッターより)

ただ、その時は「キリン広場」という名前はなかった。この場所が「キリン広場」という名前を与えられたのは、ツイッターで話題になる数日前のことだったという。

「元々、名前はなかったのですが、名前があった方が待ち合わせ場所とかにもしやすいだろうし、せっかくキリンがいるので、ということで看板を設置しました」
「キリン広場」になったばかり(画像は寝耳(@nemimis)さん提供)
「キリン広場」になったばかり(画像は寝耳(@nemimis)さん提供)

看板の設置は、谷久さんの提案だったとのことだ。

「最初は一頭だけ置いてたんですが、それじゃあ寂しそうだなと...」

Jタウンネット記者は9日、キリンたちの生みの親・キリン造形作家の岡山富男さん(71)にも取材。「21歳やと言い張ってるって書いといてな!!!ワッハッハ冗談冗談!!!!」と豪快に笑いながら、答えてくれた。

岡山さんは15年ほど前、趣味でキリンを作り始めた。内装工事の仕事で学んだノウハウを活かして、木やおがくずなどの廃材からキリンをはじめとした動物を造形しているという。

岡山さんの作品は、栗林公園だけでなく、香川県内の公共施設やホテル、飲食店などに10頭以上展示されているそう。

「キリンが大好きなので、キリンが作りたくて始めました。元々は普通に立っているキリンから始めたんですが、だんだん『防波堤にキリンが座っていたらいいなー』とか色んなことが思い浮かぶようになってきたので、それをどんどん形にしています」(岡山さん)

自由な発想で、いきいきとした動物たちの姿を造る岡山さんに、「キリン広場」のキリンたちについて聞いてみた。

「最初は、近所の古鉄屋さんにあったバイクを見てキリンを乗せたら面白いだろうなと思って譲ってもらって、乗せました。それを自分の工房の前に置いていたら、今度は物作りが趣味の友人が自作したバイクをくれたので、キリンを乗せてみました。それが今、栗林公園にあるやつです。
くつろいでいるほうは、最初は一頭だけ置いてたんですが、それじゃあ寂しそうだなと思って、豚も連れていきました」(岡山さん)
いい乗りっぷりだ(画像は栗林公園公式ツイッターより)
いい乗りっぷりだ(画像は栗林公園公式ツイッターより)

岡山さんいわく、栗林公園のキリンたちは適宜入れ替えられている。なぜなら「その方が面白いから」。

今も新しい作品を鋭意製作中で、今とは違ったキリンの姿が見られる日もそう遠くはなさそうだ。

キリンの顔触れが変わった際には、栗林公園のツイッター(@ritsuringarden)やインスタグラム(@ritsurin_season)等でお知らせするとのこと。のどかな公園でいきいきと暮らすキリンたちに興味を持った皆さん、要チェックだ!

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