人類の歴史は変えないけど... 人生がちょっぴり楽しく、便利になる「小発明」6選
火薬、羅針盤、活版印刷、電球、飛行機、電話......人類の文明は、様々な"大発明"によって発展を遂げてきた。
しかし、たとえ歴史を変えずとも、無くてもいいけどあったらちょっとだけ人生が豊かになる"小発明"だって存在する。
2022年、Jタウンネット編集部はそんな小さな発明を成し遂げた「野生の発明家」たちの力作を紹介してきた。
例えば、我が子が苦手なことを克服できるように、と産み出されたこんなアイテムだ。
1月17日配信『苦手だった「頭からシャワー」をたった2日で完全克服 漫画家が息子のために発明したアイデアグッズに称賛の声「愛情を感じる」』で紹介した「濡れないシャワー」である。
発明者は「それでも町は廻っている」などの作品で知られる漫画家・石黒正数さん。3歳になる息子が頭からシャワーをかぶる事を怖がり、立った姿勢で頭を洗うことができずに困っていたという。
そこで思いついたのが、段ボール箱とビニール紐で作った「擬似シャワー」でシャワーの練習をしてみること。すると......効果てき面!
遊び感覚で立ったまま頭を洗うポーズを自然に覚えたり、自分で疑似シャワーを浴びる仕草をしたりと、遊んでいるうちに本物のシャワーの感覚を掴んでくれたとのことだ。
これは便利...かも!
マジで実用的らしい体温計が活躍する機会が増えたコロナ禍、発明家・プロダクトデザイナーのゐずみさんが考案した体温計も、大きな反響を呼んだ。
3DCGソフトで制作した、「36.8度」の角度に曲がっている不思議な体温計だ。
ゐずみさんは子供の頃から、「温度」と「角度」という全く異なる概念にどちらも「度(Degree)」という単位を使うことを面白いと思っていた。そして、そこで、「体温(℃)」を測る体温計を度(°)で折り曲げてみたい」と妄想を膨らませ、制作に至ったという。
3月13日配信『「商品化あるのみ」「ちょうどいい」 斜め上の発想で作られた「36.8度の体温計」が超便利そう』では、ゐずみさんが検証のために制作した「本当に計測しやすいかどうか」の図も紹介している。実は、曲がっていることで実用性もアップするらしい。
ギリギリ実用的かもしれない「ギリギリ役に立つ」をテーマに物を作る人もいる。発明家のカズヤシバタさんだ。10月1日配信『地味に便利だ... 手を奥に突っ込まずに「筒型ポテチ」を食べるためだけのマシンが発明される』では、こんな発明品を紹介した。
筒型容器の底からポテチを押し上げる機械「チップスリフター」だ。
YouTubeでの活動の中で視聴者から寄せられた「筒形容器に入ったポテトチップスの量が年々減少していて指が届かないことが多い」という悩みを解決するために作ったものだという。
仕組みは、筒の内側に装着したマグネット付きフックを、外側に取り付けた電池式の昇降機構によって下から上へと移動させることで、中のチップスも一緒に押し上げる、というもの。
まさに「ギリギリ役に立つ」発明品は、8万4000件を超えるいいねを集めるなど、話題になった。
無駄に使いたくなっちゃう
古代と現代の融合11月13日配信『この発想は無かった! 「現代風」にアレンジされた「金印」爆誕→まさかのQRを読み込むと...』では、絶対に必要ないけど、ワクワクしてしまう発明品を紹介した。
かの有名な「金印」を現代風にアレンジしたのだ!
金ぴかに輝くハンコに刻まれているのは、QRコード。これをスマホで読み込むと「漢委奴国王」という文字がディスプレイに表示されるという代物だ。
作ったのは、大学生のまこさん。自宅にある工作用の3Dプリンターで何か作れないか考えていたまこさんは、金印の印面が正方形であるところに目をつけた。
「もしこの印字がQRコードでできていたら」――そう思いついて制作を始めたものの、QRコードの印字を作るのは難しく、完成までに何度も印字面の試作を行なわなければならなかったそうだ。
デスクワークに癒しをカワイイ発明品も紹介した。11月3日配信『これが天才の発想か... 削ると「かす」がエリマキになる「トカゲの鉛筆削り」に商品化希望の声続々』で取り上げた、こちらの鉛筆削りだ。
ユニークな雑貨や文房具を手作りしているクリエイター・ミチルさんは、トカゲの形をした鉛筆削りを作った。これだけでも十分可愛らしいが、この鉛筆削りで鉛筆を削ると......。
出てきた「かす」がトカゲの首の周りを覆い、まるでエリマキのようになるのだ! 楽しくてどんどん鉛筆を削ってしまいそうである。
激安家電が大変身
専門店よりもおいしく仕上がる!?既製品に手を加え、新しい機能を付与した人もいる。9月14日配信『この発想は無かった... 激安トースターで「回転機能付きローストチキン製造機」を作ってしまった猛者現る』で紹介した、こちらのマシンだ。
これは、電子工作やIoTに関する講座などを開いているSteve Kasuyaさんが作った、「回転機能付きローストチキン製造機」。大手電機メーカーから回転機構付きのグリルが発売されたことに触発されて、トースターを改造して作ってみようと思い至った。
2000円のトースターにモーターやマイコン、温度センサーなどを取り付けるほか、トースター内部の温度を一定に保つようにプログラミング。冷凍のホールチキンが1時間ほどで焼きあがるという。
安い冷凍チキンの内部から脂がにじみ出て、皮はこんがり。自分で作ったロティサリーチキンは、専門店で食べたものよりもおいしく感じたそうだ。
皆さんの中にも「こんなものがあったらいいのにな」と漠然と思っている人がいるかもしれない。
2023年は、そんなアイテムを自分で生み出してみるのはどうだろう?