「私を怖がらせないために...」
初めて降り立った大阪のバスターミナルで、私は迷子になってしまったのでした。
大きな荷物を抱えたまま途方に暮れていると、スーツ姿の見知らぬ男性が声をかけてきました。
「大阪駅に行きたいの? 僕も行くから、離れてついておいで」
男性に「ついておいで」と言われ......(画像はイメージ)
その人は何故か、私から離れていき、かなり先を歩きはじめたのです。
とはいえ決して私を置き去りにはせず、時々振り返り、ついて来ていることを確認している様子でした。
やがて駅までたどり着くと、私は人混みの中でその人を見失いました。