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「大阪で迷子になった女子大生の私。男の人が『僕も行くから』と声をかけてくれたけど、なぜか遠く離れていって...」(長野県・30代女性)

福田 週人

福田 週人

2022.10.23 14:00
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シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:N さん(長野県・30代女性)

大学1年生だったNさんはその日、鹿児島から富山の実家に帰省しようとしていた。

しかしその途中、大阪のバスターミナルで迷子になってしまい......。

バスターミナルで迷子に...(画像はイメージ)
バスターミナルで迷子に...(画像はイメージ)

<Nさんの体験談>

今から十数年前、大学1年生の夏休みに実家へ帰省したときのことです。

富山県出身で鹿児島県の大学に通っていた私は、鹿児島から大阪まで夜行バス、大阪から特急で富山へ帰る計画を立てていました。

しかし、夜行バスの降り口が駅の改札の目の前なわけがなく......。

「私を怖がらせないために...」

初めて降り立った大阪のバスターミナルで、私は迷子になってしまったのでした。

大きな荷物を抱えたまま途方に暮れていると、スーツ姿の見知らぬ男性が声をかけてきました。

「大阪駅に行きたいの? 僕も行くから、離れてついておいで」
男性に「ついておいで」と言われ......(画像はイメージ)
男性に「ついておいで」と言われ......(画像はイメージ)

その人は何故か、私から離れていき、かなり先を歩きはじめたのです。

とはいえ決して私を置き去りにはせず、時々振り返り、ついて来ていることを確認している様子でした。

やがて駅までたどり着くと、私は人混みの中でその人を見失いました。

今思えば、あのとき...

当時は若く世間知らずで、「なんであんな遠く離れて歩くんだろう」と疑問だったのですが、年を取ってふと思い出したときに、気付きました。

「あの男性は、若い女性であった私を怖がらせないために、わざと百メートル近く離れて歩いてくれていたんだ」

駅に着いてからも、おそらく私が男性を見失ったというより、男性は私が駅に到着したことを遠くから見届けた後に、そのまま私に声をかけたりすることなく、ご自分の目的地に向かわれたのだと思います。

お名前も連絡先も分からず、お礼をきちんと言えずじまいです。どんなお顔で何歳くらいの方だったかも思い出せません。

ですが、早朝の、真っすぐな地下道のような道のずっと先の方に見えるグレーのスーツの後ろ姿だけは思い出すことができます。

早朝の地下道で...(画像はイメージ)
早朝の地下道で...(画像はイメージ)

あの時私を助けてくださった方、本当にありがとうございました。

おかげで無事に予定通りの特急に乗って、実家へ帰ることができました。

誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!

名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。

Jタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。

読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージメール(toko@j-town.net)から、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度~)、体験の時期・場所、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。

(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)

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