「ペンパルに会うため船で訪れた今治。深夜まで港で来ない相手を待ってたら、見知らぬ男子大学生が...」(広島県・年齢不明女性)
シリーズ読者投稿~忘れられない「あの人」と~ 投稿者:Hさん(都道府県・年代不明女性)
Hさんは40年以上前、愛媛に住んでいる人と文通をしていた。
ある日、その人に会うために広島から最終の船に乗り、今治の港までやってきたのだが......。
<Hさんの体験談>
44年前、私は愛媛県の文通相手に会うため、広島から今治へ向かいました。
仕事が終わってから、その日の最終便である船に乗り、到着したのはかなり遅い時間でした。
船に乗っていた他の人達には迎えが来て、段々と人数が減っていきます。私も文通相手に到着時間を知らせていたので、迎えに来るはずだと思い、雨が降る中を船着場の軒下で何時間も待っていたのですが......。
「迎えの人が来ないの?」
しかしその内、日付が変わるような時間になってしまいました。昔は携帯など無く、文通相手に連絡しようがなかったのです。
真っ暗な中で不安でしたが、こうなったら朝まで待つしかありません。
するとそこに、一台の車がやってきました。中には若い男性が乗っていて、窓を開けて話しかけてきたのです。
その人は、先ほど友達を迎えにこの場所に来ていたそうです。その時、私の姿を見ていて、心配になって戻ってきたのだと言います。
そして、こう提案してくれました。
「迎えの人が来ないの?もう朝まで船も来ないし、ここらへんは最近危ない人達がたむろしてる。
もし良かったら朝まで自分の実家に居たらいいよ。朝になったら駅まで送ってあげるよ」
今考えたらとても危険な判断なのですが、「このまま朝まで真っ暗な中を誰か来たらどうしようと怯えながらいるより、この人を信じるしかない」と思った私は車に乗りこみ、その方の実家に連れていっていただきました。
「とても危ない事をしたものだと反省しました」
いくら若いと言ってもとても危ないことをしたものだと後から反省しましたが、その日はソファーで寝かせてもらい、そして朝、明るくなってから駅まで送っていただくことになりました。
わざわざ戻って来てくださって、親切にしていただいたのに、お礼も何もしておらず、後悔しています。
電話番号も聞いていませんが、当時大学生だったということと、Wさんというお名前だけは覚えています。
ちなみに、後で分かったことですが、文通相手は私が松山に着くものだと勘違いして、そこで待っていたそうです。
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