「函館に向かう寝台列車、周りのベッドにはおじさん3人。朝目覚めると、いつもと違う景色が広がっていて...」(北海道・50代女性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Wさん(北海道・50代女性)
富山の短大を卒業したWさんはある年の2月、母校まで遊びに行っていた。
その帰り、寝台列車で地元・北海道まで帰ろうとしたのだが......。
<Wさんの体験談>
ある年の2月、北海道から富山に行きました。自分が卒業した富山の短大に遊びに行っていたのです。
在学中、帰省するときは函館行きの寝台列車を使っていて、その時も同じように帰る予定でした。
そこで列車に乗り込むと、私が予約していたベッドの周りには60代くらいの男性3人がいて......。
朝、目覚めると...
車掌さんはそれを見て「席を変えますか?」と言ってくださったのですが、私はその申し出を断りました。今思えば怖いもの知らずでした。
そのままおじさん達と少し話をして眠りにつき......翌朝は8時頃に起床して異変に気付きました。
この時間、いつもなら青森くらいにいるはずなのに、窓の外を見ると景色が違うのです。
状況が把握出来ないでいる私に、もの凄い雪でまだ新潟にも着いていないことをおじさんが教えてくれました。
そして、「新潟までしか行かないかもしれないから、家に電話した方が良い」とアドバイスまで。
携帯電話もない時代で、私は無人駅に停車している間に家に電話。両親も驚いて、「気を付けるんだよ」としか言えないような状態でした。
新潟で止まった寝台列車
2時間くらい経ってから、車内アナウンスが流れました。乗っていた列車は新潟までしか行かず、その先まで行くには乗り換えが必要だとわかりましたが、私にはどうしたらいいのかがわかりません。
するとおじさんが「1人で大丈夫? 俺たちは青森まで行くから一緒に行こう」と声をかけてくれたのです。
そこからおじさんたちについて上越新幹線に乗って大宮まで行き、東北新幹線に乗り換え。当時は盛岡までしか行かなかったので、そこから在来線に乗り継ぎました。
青森駅に到着すると、おじさんたちは「俺たちはここで降りるから。気を付けて」と言って下車。その後、私は函館まで行って特急に乗り換え、早朝4時ごろに最寄り駅につくことができました。
寝台列車に乗った時、車掌さんの申し出を断らずに席を変えていたら、私はどうしたら良いのかわからずに、途方に暮れていたと思います。
名前を聞くのを忘れてしまいましたが、一緒に移動してくれたおじさんたちに感謝しています。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
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