「法事の帰り、足の悪い老人に席を譲った喪服の私。離れた場所で立っていると、彼の妻が...」(千葉県・60代女性)
シリーズ読者投稿~忘れられない「あの人」と~ 投稿者:Sさん(千葉県・60代女性)
その日、法事のために親戚の家を訪れていたSさんは、帰りの電車で杖をついた老人に出会い、席を譲った。
その後、少し離れた場所に立っていたSさんに、老人の妻が......。
<Sさんの体験談>
10年ほど前のある日、法事があって片道で2時間かかる親戚の家に行っていました。その帰りの電車に喪服姿で乗っていた時、ご高齢の夫婦が乗車してきました。
おじいさんのほうは杖をついておられましたが、電車内に空席はありません。そこで、私は席を譲って、少し離れた場所に立つことにしたのですが......。
「私たちはそんなに長く乗らないから......」
しばらくすると、おばあさんのほうがこちらにきて、話しかけてきたのです。
「私たちはそんなに長く乗らないから、あなたが席に座って」
きっとおばあさんは、私の顔色が悪いことに気づいてくれたのだと思います。
実はその時、私は体調が悪かったんです。子供を産んでから体が弱くなり、遠方への外出はとても辛くて......。それに心配事もあり、精神的にも本当に疲れていました。
そんな時、見ず知らずの方がとっても優しく声を掛けてくださったのが嬉しかったです。
その方の品のある言葉、心配そうなお顔、今でも覚えています。私もその方のように歳をとっていきたい。愛情ある人間でいたいと思いました。
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