この発想は無かった... 激安トースターで「回転機能付きローストチキン製造機」を作ってしまった猛者現る
「190度でトースター内部を維持できるように」
Kasuyaさんは電子工作や機械加工、プログラミングなどに関心がある人々が集まる「秋葉原ハッカースペース」の運営者で、電子工作やIoTに関する講座も開いている。趣味は海外旅行と「家電ハック」で、ツイッター上では七色に光る「ゲーミングケトル」や加熱が終わるとレベルアップの効果音がなる「ドラクエ電子レンジ」といった改造家電を紹介している。
そんなKasuyaさんがロティサリートースターを自作したのは、2017年12月。大手電機メーカーから回転機構付きのグリルが発売されたことに触発されてのことだった。
「激安トースターオーブンにドリルで穴をあけて回転機構をつける改造をして、モーターとヒーターをArduinoマイコン(電子工作用のマイクロコントローラ)で制御すればできるはずだと思ったのがきっかけです」(Kasuyaさん)
制作手順としては、まず100円ショップで安いカゴを、通販で回転機構(チキン固定具・軸・モーターのセット)を購入し、机の上でそれらを組み立てて動作チェック。そして、2000円のトースターの側面にドリルで穴をあけ、カゴと固定具を内部にとりつけ、外からモーターで動かせるようにした。
「その後、トースターの電気系についているサーモスタット(温度調節のための装置)とタイマーを無効化する改造をし、『Arduino』と呼ばれるマイコンを頭脳に、熱電対という温度センサーをつないで、C言語に似たプログラムを書いて190度でトースター内部を維持できるようにしました」(Kasuyaさん)
実際に調理する際は、まず冷凍のホールチキンを解凍し、固定具をセット。それをトースター内部に入れ、横から軸を通して固定具のネジを締める。最後に軸にモーターをとりつけて回転を始め、マイコンの電源をオンにすれば190度での調理が開始する仕組みだ。約1時間で焼き上がるという。