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この発想は無かった... 激安トースターで「回転機能付きローストチキン製造機」を作ってしまった猛者現る

福田 週人

福田 週人

2022.09.14 18:45

自分で家具なんかを作るDIY──「Do it yourself(自分でやってみよう)」という意味の言葉だが、中にはこんな物まで自作してしまう人がいる。

こちらは、東京都在住のツイッターユーザー・Steve Kasuya(@SteveKasuya2)さんによる、2022年9月10日の投稿。

四角い機械の"とびら"を開けると、奥で串刺しにされたチキンが、回っている。

専門店以外ではあまり見ることのない光景だろうが、いわゆる「ロティサリーチキン」を作っている光景だ。

しかし、使用している機械には、なんだか見覚えがある。いつも前を向いているとびらが上に向いているが......これ、トースターだ!?

そう、Steve Kasuyaさんは、専用の機械を購入したわけではない。トースターを改造して、自力で「ロティサリートースター」を作ってしまったのだ!

チキンをグリルしている(画像はSteve Kasuya@SteveKasuya2さんのツイートより・編集部でスクリーンショット、以下同)
チキンをグリルしている(画像はSteve Kasuya@SteveKasuya2さんのツイートより・編集部でスクリーンショット、以下同)

なぜ? そして、どうやって? Jタウンネット記者は13日、製作者のKasuyaさんに話を聞いた。

「190度でトースター内部を維持できるように」

Kasuyaさんは電子工作や機械加工、プログラミングなどに関心がある人々が集まる「秋葉原ハッカースペース」の運営者で、電子工作やIoTに関する講座も開いている。趣味は海外旅行と「家電ハック」で、ツイッター上では七色に光る「ゲーミングケトル」や加熱が終わるとレベルアップの効果音がなる「ドラクエ電子レンジ」といった改造家電を紹介している。

そんなKasuyaさんがロティサリートースターを自作したのは、2017年12月。大手電機メーカーから回転機構付きのグリルが発売されたことに触発されてのことだった。

トースターを横にしている
トースターを横にしている
「激安トースターオーブンにドリルで穴をあけて回転機構をつける改造をして、モーターとヒーターをArduinoマイコン(電子工作用のマイクロコントローラ)で制御すればできるはずだと思ったのがきっかけです」(Kasuyaさん)

制作手順としては、まず100円ショップで安いカゴを、通販で回転機構(チキン固定具・軸・モーターのセット)を購入し、机の上でそれらを組み立てて動作チェック。そして、2000円のトースターの側面にドリルで穴をあけ、カゴと固定具を内部にとりつけ、外からモーターで動かせるようにした。

「その後、トースターの電気系についているサーモスタット(温度調節のための装置)とタイマーを無効化する改造をし、『Arduino』と呼ばれるマイコンを頭脳に、熱電対という温度センサーをつないで、C言語に似たプログラムを書いて190度でトースター内部を維持できるようにしました」(Kasuyaさん)
こんがりと焼き色がついている
こんがりと焼き色がついている

実際に調理する際は、まず冷凍のホールチキンを解凍し、固定具をセット。それをトースター内部に入れ、横から軸を通して固定具のネジを締める。最後に軸にモーターをとりつけて回転を始め、マイコンの電源をオンにすれば190度での調理が開始する仕組みだ。約1時間で焼き上がるという。

「専門店より美味しかった」

記者には「トースターを回転機能付きチキン焼き機に改造する」というのは、かなり難しいことに思えるが、Kasuyaさんいわく「結構簡単でしたので苦心した点はありません」。なお、制作にあたってこだわった点については

「トースターを90度倒し、上からガラス扉を開けてオリーブオイルやハーブなどを追加できるようにしたことです。また90度倒れていることで、肉から落ちた脂がヒーターにかからず、煙が出ません」

と語る。「トースターを横にして使う」という、シンプルながら画期的な発想だ。

「(制作は)とても楽しかったです。安い冷凍のホールチキンがおいしいロティサリーチキンになることは感動ものでした。味についても、チキン内部からにじみ出た脂が表面で高温になり、こんがりと皮をしあげてくれて美味しいです。都内にロティサリーチキンの専門店があるのですが、そこで食べたものよりも美味しかったです」(Kasuyaさん)
回転しているので、全面をしっかり焼ける
回転しているので、全面をしっかり焼ける

こんな素敵なマシンが作れるとは、電子工作に興味が湧いてきてしまう。まったくの素人が一から始めようと思ったら、何が必要なのだろう。

「一昔前の電子工作は、電子工作部品(抵抗やコンデンサ、トランジスタ等)だけを組み合わせて作るものが主流でした。しかし、最近の電子工作は電子工作部品と小型のコンピューターを組み合わせ、プログラムで自在な制御を行えるものが主流になっています」(Kasuyaさん)

つまり、電子工作には、電気に関する知識に加えてコンピューターやプログラミングの知識が必要。両方やるのは大変そうだが、それだけできることの幅も広がっているので、「興味のある方はぜひ挑戦していただきたいと思っています」とKasuyaさん。

ただ、電気工作や熱を発するような工作では、「感電や火傷に十分に気をつけて取り組んでいただければ」とのことだ。

何事も、知識がないままに突っ走ってしまうのは危険。興味を持った人は、手始めにKasuyaさんが開いている初心者向けの講義に参加してみるのもいいかもしれない。

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