「出張先の大阪で道に迷った若き日の私。通りすがりの中年男性が『おっちゃん暇やから』とホテルまで...」(熊本県・30代女性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Fさん(熊本県・30代女性)
その日、出張で大阪を訪れていたFさんは、宿泊予定のホテルに辿りつけず途方に暮れていた。
地図を見ても、人に聞いても分からない。おまけに雨まで降ってくる。
彼女はキャリーケースを引きながらキョロキョロ。そこに1人の中年男性が声をかけてきて......。
<Fさんの体験談>
7年ほど前、会社の会議があり九州から大阪へ出張した時のことです。
事前に予約したホテルへの行き方がわからずスマホでグーグルマップを見ながら歩いていました。
地下を通らなければならなかったのに地上にいた私は、道行く人にホテルへの行き方を尋ねては進み、わからなくなってはまた尋ねて......というのを繰り返していました。
「おっちゃん暇やから大丈夫やで」
小雨が降り始めた路上で、スーツケースを引きながらスマホを見たりキョロキョロしたりしていた私は、スーツを着た中年男性に「迷てんの?」と声をかけられました。
「はい、このホテルに行きたいのですが」とマップを見せると、その方は
「あーここな、おっちゃん知っとるから連れてったるわ、ここから地下におりるねん」
と言ってくれたのです。
私は「来ていただくのは悪いので、道を教えていただけたら自分で行けます」と言ったのですが、
「おっちゃん暇やから大丈夫やで。ホテルまで15分か20分ぐらい歩かなあかんから、姉ちゃんまた迷うで」
と笑って、一緒に歩いてくださったのでした。
道中でも、色々と...
道中でもおじさんは「どこから来たん?若いのに1人で偉いなー」「ここの定食屋うまいから明日行ってみたらえーよ」など、色々お話ししてくださりました。
そして、小雨が降る中、スーツなのに傘もささずにホテルまで送り届けてくれた後は、「仕事頑張ってなー!」と笑顔で去って行かれたんです。
その時、お礼は何度もお伝えしたのですが、お名前をお聞きしなかったのでどこの方かはわかりません。
あの時のおじさん、本当にありがとうございました。
この感謝の気持ちは一生忘れません。
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