「夜明け前に目覚めたら、ベッドから両親が消えていた。家の中を探すと、床に血だまりが出来ていて...」(岡山県・20代男性)
車通りの多い交差点で、見知らぬおじさんが...
車通りがそこそこ多い交差点に差し掛かった時、一人のおじさんが私に声をかけてきた。作業服のようなものを着た中年の男性だ。
元々さほど社交的でなかった私は少し身構えながら、おじさんの質問に少ない言葉数で答えた。
どこへ行くのかと聞かれたので「病院へ」と答え、「一人で?」という質問に頷く。
そして、「お父さんとお母さんは?」と聞かれたので、
「多分病院におる」
と答えた。当時、母のお腹の中には弟がいて、私は両親と一緒に名前を考えたり、赤ちゃん用の服やおもちゃを買ったりしていた。だからおじさんに「赤ちゃんが産まれるから」とも伝えた。

そんな会話を交わした後、おじさんは警察に電話をかけた。数分するとパトカーのサイレンが聞こえ、おじさんは私を警察官へと引き継いだ。
結局、私の推測は当たっており、母親は夜中に出血して、父の車で最寄りの病院へと搬送されていた。両親は、私が起きたらお気に入りの電車のビデオでも見るだろう、連絡を受けた祖父母がそのうち家に到着して面倒を見てくれるだろう、と考えていたらしい。
しかし、その予想は見事にはずれ、一人で病院へと向かってしまったことを出産後に病院で知った母親は卒倒しかけたという。