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「平成の空気」が閉じ込められてる...! 初めてなのに懐かしすぎる「さん・あぴお」を探索してみた

大山 雄也

大山 雄也

2022.07.18 20:00
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平成という時代も今や懐かしむ対象となり、巷では「平成レトロ」という言葉まで聞こえてくる。

そんな令和4(2022)年、茨城・土浦市にある商業施設「さん・あぴお」がツイッター上で注目を集めた。

さん・あぴお(2022年6月30日、Jタウンネット撮影=以下同)
さん・あぴお(2022年6月30日、Jタウンネット撮影=以下同)

常磐道の土浦北インターチェンジからほど近い場所にある「さん・あぴお」がオープンしたのは、平成5(1993)年4月。2023年には開業から30年の節目を迎えるこの施設が突如として注目されるきっかけとなったのは、その「平成感」。店内の光景に、ツイッター上でこんな声があがっているのだ。

「『平成っぽさ』という古さが浮き上がって見えるほどに年月を重ねたんだなあ」
「ここが平成の生き残り...?」
「ノスタルジーに押し潰されて泣きそう」

現地の空気は、いったいどんなものなのか。平成6 (1994)年生まれの筆者としては気になって仕方がない。

そこで2022年6月30日、施設を運営する新治商業協同組合に許可を取り、さん・あぴおを訪問。「平成レトロ」な雰囲気を味わってきた。

初めて来たはずなのに見覚えがある!

埼玉・白岡で生まれ育った筆者が「さん・あぴお」を訪れるのは、今回が初めて。それなのに、施設の中に入った瞬間、懐かしさに襲われた。

「さん・あぴお」の入り口
「さん・あぴお」の入り口

入り口の自動ドアにはかつてポップを貼っていたのか、上部の金属部分にテープ跡が見られ、年季が感じ取れる。そして、ガラス面には赤い文字で斜めに書かれた「いらっしゃいませ」。

新しくてオシャレな商業施設では使われないだろうこのフォント......それだけで、ノスタルジックな気持ちになった。

さらに進んでいくと、施設の中心部には吹き抜けがある。

吹き抜け部分
吹き抜け部分

クリーム色の壁面に、淡い桃色の階段、1階部分にある宝くじ売り場のようなインフォメーションセンター――最近できたばかりの商業施設ではまずお目にかかれない、温もり溢れる空間。幼少期に祖父や祖母によく連れて行ってもらった商業施設の思い出が駆け巡る。

懐かしさのあまり、涙が出そうになってしまった。

今も営業を続けるテナントにすらノスタルジーが

エレベーター
エレベーター

エレベーターは優しさをたたえながらもポップさが感じられる色遣いで、フロア案内はシンプルなフォント。随所にかつてどこかで見た懐かしい雰囲気がしみついている。

エレベーターのフロア案内
エレベーターのフロア案内

もちろん、「さん・あぴお」は現役の商業施設だ。いくら「平成レトロ」を感じるとは言っても、ウエルシア薬局をはじめ、マクドナルド、ゲームセンターなど他でも見かける店が営業している。

「さん・あぴお」1階の通路
「さん・あぴお」1階の通路

しかし、毎日見るような企業のロゴすら、「さん・あぴお」の中にあると懐かしいと感じてしまう。

――そんな魔法がかかっているような気がした。

「大きな改装はしていない」

レトロな雰囲気のカフェもある
レトロな雰囲気のカフェもある

まるで平成という"時代"の空気をジップロックに入れて保存しているかのような「さん・あぴお」。

なぜ、当時の雰囲気をこんなにも残せているのだろうか。Jタウンネット記者の取材に新治商業協同組合の事務局長はこう話す。

「定期的に外壁の塗装はしていますが、平成5年の開業以来、大きな改装はしていません」

そして、ツイッター上で話題になったことには「びっくりです」としながら、こんな感想を語ってくれた。

「地元密着型で、大手とは違う施設です。年月とともに年季が入って、今のような状態になり、一部から反響があったのかもしれません」(新治商業協同組合の事務局長)
1階の通路
1階の通路

平成の時代を懐かしみたい――そう思った時は、この「さん・あぴお」に来て、買い物や食事を楽しんでノスタルジーを感じてみるのはいかがだろうか。

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