「お年玉で買ったゲームが、欲しかったヤツとは違ってた。店で返品をお願いしていたら、怖そうなおじさんが...」(愛知県・30代女性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Yさん(愛知県・30代女性)
Yさんは小学生の頃、お年玉でずっと欲しかったゲームソフトを購入した。
しかし、家に帰って遊んでみると、元々欲しかったものとは違うソフトを誤って買ってしまっていたことに気づく。
そこで店に戻り、交換できないかお願いしてみたのだが......。

<Yさんの体験談>
30年近く前のことです。世間はスーパーファミコンブームで、私は兄妹3人でよく遊んでいました。
お正月、お年玉をもらった私はずっと欲しかったスーパーファミコンのソフトを買いに家族でゲーム屋さんへ。
数千円もするゲームソフトは当時小学生だった私にとってはとても高価なもので、新しいものは滅多に買えなかったため、とても楽しみにしていました。
ソフトを買ったはいいけれど...
店内はお年玉をもらったであろう子供たちで賑わっていました。
お目当てのソフトを見つけた私はそれを購入し、さっそく家でプレイしてみたところ......そのソフトは私が欲しかったものではないと気づきました。同じシリーズの違うものを間違えて購入してしまっていたのです。

ずっと楽しみにしていたのに......。
あまりにも切なく、悲しくて、両親に相談してみたものの、「もう開封してしまったものは返品出来ないだろうから諦めなさい」と言われました。
ですが、どうしてもやりきれない思いでいた私は、お店へ連れて行ってもらい、自分で事情を説明してどうにか交換してもらえないかとお願いしました。
しかし、やはりもう返品はできないとのことでした。
自分を責め、うなだれていたら...
何で間違えてしまったのか......。そう自分を責め、その場にうなだれていたときでした。
近くにいたおじさんが近寄ってきました。サングラスをかけていて、一見怖そうな感じの人です。
そのおじさんは店員さんに、
「俺がその子のソフトを買うから欲しいのと交換してあげて。せっかく楽しみにしてたのにかわいそうじゃん」
と言ってくれました。

驚くと共にとても嬉しくて、でも恥ずかしさもあって、私は「ありがとうございます」と言うのが精一杯でした。
見ず知らずの子どものために欲しくもない数千円もするソフトを買うことはなかなか出来ることではないと思います。
何でもっとしっかりお礼が言えなかったのだろうと、今でも心残りです。
あの時のおじさん、本当にありがとうございました。親切な人の話を聞くと、いつもおじさんのことを思い出します。
30年近く経ちましたが、そのソフトだけは今でも大切に取ってあります。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
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