井上 祐亮
私はお金を持っていなくて、兄が持ってきたお金は往復のバス代と釣り堀代のみ。
近くに公園などもなく、あるのはバス停の横にある自動販売機だけ。飲み物を買いたくても、買うと帰りのバス代が足りなくなってしまいます。
バスが来るまで30分以上あって、兄に喉が渇いたとずっと言っていたと思います。
その時、兄が道を挟んで向かい側のもつ鍋屋さんの戸が開いていることに気づきました。
「ちょっと待ってろ」
兄はそう言うと、そのもつ鍋屋さんに入っていきました。
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