「川で溺れているところを助けてくれたお兄さん。お礼すら言わない私に『かわいくねぇ』と言いつつも...」(埼玉県・30代男性)
2022.04.03 11:00
「本当に死んでしまうんだと思った」
後にも先にも死を予感したことは、このとき以外にありません。完全に溺れてしまった私は、決死の思いで右腕だけを川面に出るよう持ち上げました。
「もう息が続かない。ああ、本当に死んでしまうんだ」
そう思った瞬間、体がフワッと浮いたのです。
私の流れる右手を見たお兄さんがと抱き上げてくれたのです。ただごとではないと思ったのでしょう。
お兄さんは、私を抱きながら「溺れてただろ?」と言いました。でも、私は
「いや、遊んでただけ。溺れてなんかなかった」
と感謝の言葉もろくすっぽ口にすることなく、生意気に振る舞いました。本当は怖くてたまらなかったのに......。