「ハンカチで口をふさいで我慢......」
10年ほど前、東京に住む息子のもとに観光を兼ねて遊びに行ったときの話です。
私は出発前からたまに咳が出ていたのですが、熱もなく体調も良かったので予定通りに出かけました。
しかし、ある観光地から息子の自宅まで向かう都バスに乗ったとき、なぜか咳がなかなか止まらなくなったのです。
私の隣に座っていた高齢の女性もきっと嫌な思いをされているだろうと思い、ハンカチで口をふさいでできるだけの我慢をしていました。
すると、高齢の女性はバッグから飴玉を取り出して、こう言うのです。
「苦しいでしょう? よかったらどうぞ」