「『私なんていなくなっちゃえばいい』。高校の勉強についていけず、思いつめた私は電車の中で...」(埼玉県・10代女性)
「おじ様のおかげで今の私があります」
埼玉県在住の高校3年生・Fさんから編集部に一通のメールが届いた。
そこには、高校に入学したばかりだったFさんを救ってくれた一人のおじいさんへの感謝の思いが綴られていた。
受験の末、目標としていた高校に進学したFさん。
しかしいざ入ってみるとなかなかその授業のペースについていくことができず、苦戦する毎日を送っていたのだという。
毎日学校や部活が終わった後は塾に通い、遅くまで勉強をしていたにも関わらず、テストは散々な結果。
そんな自分に嫌気がさし、電車の中で思い詰めていたFさんに、見知らぬおじいさんが声をかけてきた。
成績が上がらず「自分で自分が嫌に」
約2年前、私が高校1年生のときのお話です。
私は中学生の頃、学年でも上位の成績をとり続けていて、高校も目標としていた学校に入学できました。
しかし、いざ高校の授業が始まるとペースについていくことができず、最初のテストでほぼ最下位と言っていいほどの結果に。中学の時の成績と比較し、自分でもとても驚きました。
その後自分で工夫して勉強しても焦りが出てしまい、次のテストでもやはり成績は上がりません。
このような点数を取ったのははじめてで、自分で自分が嫌になり、何もかも捨ててしまいたくなるような気持ちでした。
私は成績を上げるために塾に通いました。授業や部活が終わってから塾に行き、毎日帰る時間は22時近くになることがほとんど。
その日も、外はもう真っ暗。帰りの電車は混雑はしておらず、静かな空間でした。
「こんな私がいない方が親だって苦労しないで済む」
車内で単語帳を眺めながら、
「どうして私だけこんなに成績が悪いんだろう。もう誰からも期待なんてされてない、こんな私がいないほうが親だって苦労しないで済む。私なんて居なくなっちゃえばいいのに」
と、色々なことを考えていたら、ついその場で泣いてしまいました。
すると、私が鼻をすする音が聞こえてしまったのか、70歳くらいのおじ様が私の近くへとやってきて、声をかけられました。
「お嬢さん、あなたに何があったのかは分かりません。
けれどね、あなたは私よりもずっと若い。若いんだからこれからの人生、諦めなければきっと良いことがあるよ。今日泣いた分、明日明後日、未来には良いことが待ってるはずだから、ここで素敵な未来を諦めてしまうのは勿体ないよ」
おじ様は小さな声で、そう励ましてくれました。
私はお礼を言おうとしましたが、そのおじ様はすぐに電車を降りてしまい、その後毎日同じ時間の電車に乗っても、再び会うことはできませんでした。
もし、声をかけてくださったおじ様がこの投稿を見てくださっているなら、「ありがとうございます」とお伝えしたいです。
おじ様のおかげで、今の私があります。その後少しずつですが成績も良くなり、大学受験にも合格して、春からは大学生になるんです。
私もおじ様のような人に寄り添える大人になるために、大学では福祉の道を選びました。
おじ様には本当に感謝の気持ちしかありません。本当にありがとうございました。
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