「登校初日から遅刻する!」絶望した少年の前に停車した白塗りベンツ 窓から現れたのはパンチパーマのおじさんで...
「遅刻だ!やばい!」
夢を抱き親元を離れ、県外のサッカー強豪校へ入学した20数年前。その初登校の日の話です。 下宿から学校まではバスに揺られて20分ほど。地方でしたので本数も少なく、乗り遅れたら遅刻という条件でした。当時朝が苦手だった私はあろうことか、大事な初登校の日に寝坊してしまったのです。
バス停があるのは下宿を出て緩やかな長い坂道を登り、突きあたりを右に曲がった50メートル先。
「遅刻だ!やばい!」
下宿から猛ダッシュで坂道を駆け上がり「頼むから間に合ってくれ」と願いながら右に曲がりました。
すると、既にバスは到着していてその時まさに乗降中。「乗ります!」と右手を振り上げながら走りましたが......無情にもバスは発車してしまいました。
バス停の手前でがっくりと膝をつき、「なんてこった」と絶望したその時。
ススー、と白塗りのベンツが私の横に止まり、窓から絵に描いたようなパンチパーマにグラサンのおじさんが顔を出したのです。