鮭まるまる1匹、ホタテたっぷり2キロを「無料配布」 北海道の標津町がやっぱり太っ腹すぎる
小中学校の給食で、「イクラ丼」が出る町・標津町。2021年11月、その写真が投稿されると、あまりの豪勢さにツイッターユーザーがざわついた(詳しくは11月24日付けの記事「これが給食...だと? 北海道・標津町の小学生&中学生が食べた『イクラ丼』が豪華すぎ」へ)。
しかしこの町が超太っ腹なのは、子供に対してだけではない。大人も嬉しすぎる取り組みが行われていると、再度注目を集めている。
これは、ツイッターユーザーのNGさん(@nagi0467)が2021年12月3日に投稿した写真。NGさんは
「ホタテとバターが無料で配られる、嘘みたいな町に住んでます... (これと別に鮭配布、ホタテ配布も...)」
と、呟いている。
なんと、ビニール袋いっぱいの殻付きホタテと、バター2箱が無料で配られるらしい。さらに鮭まで......!?
リプライ欄では、「羨ましい」の大合唱が起きている。
どうして標津町ではこんなに太っ腹な取り組みが行われているのだろうか。Jタウンネット記者は9日、無料配布の鮭とホタテを提供している標津町漁業協同組合(北海道標津郡)を取材した。
丸ごとの鮭、もらったらどうする
取材に応じた総務部職員によると、鮭は1990年から、ホタテは2000年から、町内の全世帯を対象に毎年無料で配布している。
基本的に、1世帯あたり鮭は年に丸ごと1匹、ホタテは年に1袋(2キロ)だが、ホタテは夏と冬の2回配られることもあるそうだ。
直近では、今年の12月3日に例年どおり2キロのホタテが無料配布され、通算33回目となった。
鮭の産地として名高い標津町の鮭が丸ごと1匹に、2キロのホタテ......。
さらに、同組合にならい標津町農業協同組合(北海道標津郡)も同様の取り組みを行っており、バターを年に1度、1世帯あたり2個配布している。
都内在住の記者にすれば、あまりにも豪華な食材たち。この太っ腹な取り組みを続ける理由を、職員はこう話した。
「やはり、(漁業という)一次産業をやっていくには、町民の労働力が欠かせませんから......感謝の気持ちというところでしょうか」
配布された食材を受け取った町民からは、「(鮭が不漁の年にも)もらえて嬉しい」という声が聞かれたそうだ。
「本州の人からしたら、鮭を丸ごともらっても困ってしまうかもしれませんが......(標津町の人たち)みんなは鮭をさばける人がほとんどですから」
たしかに、もしも記者がもらっても、猫に小判であるのは目に見えている。
では、町民の人たちは実際にどんなふうにこれらの食材を活用しているのだろう。
ちゃんちゃん焼き、石狩鍋、いちばんは塩焼き!
NGさんに、ホタテを食べた感想を詳しく聞いた。
「ホタテの身は刺身とフライにしました。ミルキーで甘味があってとても美味しいです。ホタテの耳はコーンバターで食べました。耳のコリコリした感じと塩味が美味しくお酒が進んでしまいます」(NGさん)
そして、今年もらった鮭は実家の両親に送ったと言う。配布されたものをほかの人に送る町民は多いようで、配布当日は町内のクロネコヤマトが混み合い、ホームセンターでは鮭用の袋や箱がよく売れている、とNGさん。
「普段もらったときは、さばいてちゃんちゃん焼きや石狩鍋などいろいろな料理を楽しみます。さまざまな料理が楽しめて飽きません。シンプルな塩焼きが一番美味しいです」(NGさん)
やはり、魚をさばくのは標津町民の必須スキルのようだ。イクラ給食といい今回の無料配布といい、この町で育ったらグルメな舌が養われそうである。