「台風の中歩いていると、軽トラのおじさんが『送ってあげる』。目的地を過ぎたのに、車は止まらず...」(宮崎県・30代女性)
軽トラのおじさんが「乗りなさい」
小学5、6年生の頃だったと思います。
夏休みに大きな台風が来ていたのですが、自営業の母が雨漏りを気にしたようで、早朝に職場へ車で出て行きました。
夏休みということもあり、あまり早起きもしていなかったので、起きた時はすでに母の姿はありません。置き手紙があって、状況が分かったので職場へ電話をかけてみました。
すると、台風のせいで道が洪水していて、職場に向かう途中に車が故障してしまい、台風の中そのまま職場へ歩いて向かったとのこと。
父が起きるのを待てばよかったのですが、なぜか私は歩いて母の所へ向かおうと決心してしまい、母の着替えや食料などをリュックに詰め込んで、兄の大きなカッパを着て家を出ました。
距離でいうと隣町くらいまでだったので、途中で大きな橋を渡らないといけませんでした。
いつもと違う濁流の川に怖くなりながらも、強風と雨の中の橋を渡っていると......。
軽トラックに乗った50代か60代くらいのおじさんが声をかけてきました。
「こんな中を歩いてどこに行くの?危ないから乗りなさい!送ってあげるから」