「台風の中歩いていると、軽トラのおじさんが『送ってあげる』。目的地を過ぎたのに、車は止まらず...」(宮崎県・30代女性)
ものすごくドキドキしたのを今でも覚えています――。
宮崎県出身の読者・Iさん(30代女性)から、小学生時代の体験談がJタウンネットに寄せられた。
当時、大きな台風がIさんの住んでいる地域に接近していた。
目を覚ますと、母親の姿が見えない。雨風が吹き荒れるなか、仕事場へ向かったらしい。
母のことが気になった彼女は、職場に連絡。すると、道中で車が故障し、途中から歩いて職場に向かったという。
大雨の中、そんなことをしたらきっとずぶ濡れになってしまっただろう......。Iさんはそう思ったのか、母の着替えをリュックに入れ、家を飛び出した。
軽トラのおじさんが「乗りなさい」
小学5、6年生の頃だったと思います。
夏休みに大きな台風が来ていたのですが、自営業の母が雨漏りを気にしたようで、早朝に職場へ車で出て行きました。
夏休みということもあり、あまり早起きもしていなかったので、起きた時はすでに母の姿はありません。置き手紙があって、状況が分かったので職場へ電話をかけてみました。
すると、台風のせいで道が洪水していて、職場に向かう途中に車が故障してしまい、台風の中そのまま職場へ歩いて向かったとのこと。
父が起きるのを待てばよかったのですが、なぜか私は歩いて母の所へ向かおうと決心してしまい、母の着替えや食料などをリュックに詰め込んで、兄の大きなカッパを着て家を出ました。
距離でいうと隣町くらいまでだったので、途中で大きな橋を渡らないといけませんでした。
いつもと違う濁流の川に怖くなりながらも、強風と雨の中の橋を渡っていると......。
軽トラックに乗った50代か60代くらいのおじさんが声をかけてきました。
「こんな中を歩いてどこに行くの?危ないから乗りなさい!送ってあげるから」
「どこに向かってるの?」
軽トラのおじさんは、そう言ってくださったのですが、私は躊躇していました。「怖い人だったらどうしよう、知らない人だし......」と思ったのです。
ですが、狭い道路な上に、雨風も強かったので、その軽トラと私のせいで道が渋滞のようになっている事に気が引けて、そのおじさんの車に乗り込んだのでした。
「どこに向かってるの?」
とまた聞かれ、場所の説明をしたらきちんとそちらに向かっていてほっとしましたが、車は目的の母の職場を通りすぎました。
このまま連れ去られてしまうのではと、ものすごくドキドキしたのを今でも覚えています。
結局のところ、説明が悪かったのか状況的に停車しづらかったのか、目的の母の職場を数メートルほど過ぎた所で停車してくれました。
お礼は言ったと思うのですが......。お名前なども聞けずきちんとしたお礼もできなかったのが残念です。
あの時は本当にありがとうございました!
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
Iさん目的地までを連れて行ってくれた、軽トラのおじさん。
彼がいなければ大雨の中、Iさんは大変な目に遭っていたかもしれない。
Jタウンネット編集部では、Iさんから寄せられたエピソードのように、自分を助けてくれた人に伝えたい「ありがとう」の声を募集している。
読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、「いつ、どこで出会った人に、何について感謝を伝えたいのか(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度~)」を、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別、職業を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。
(※なお本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談の一部を改変している場合があります。あらかじめご了承ください)