なんで「わざわざ」江田島に? IT企業×瀬戸内海に浮かぶ島...東京の若者たちが、移住を決めた理由とは
2021.11.04 17:00
提供元:広島県
江田島市~広島市内のアクセスのよさも魅力
ところかわって、江田島の海を見渡せる、すてきなオフィス――。
IT企業のバレットグループ(本社:東京都新宿区)が江田島市に置く開発拠点「COCODEMO(ココデモ)」を訪問すると、やさしい笑顔の定木拓也さんが出迎えてくれた。
定木さんも関東圏の出身で、今回を機に広島県に移住してきた一人である。
定木さん:20年10月、バレットグループは江田島市進出に向けて、立ち上げメンバーを募集していたんです。当時の私はフリーランスのエンジニア。祖父母が住んでいて、ゆかりのあった広島県への(厳密には違いますが)Iターンもいいなと思っていた頃でした。
入社がかなって、現在は4人が働くこのオフィス――市の施設の一室(3階)を改装して入居しています――に来ると、最初は備品がひとつもなくて、その準備も一苦労。でも、いい経験でした。
こんなふうに地方に拠点があることは、IターンやUターン就職を考えたときに心強いものです。企業にとっても、人材の確保につなげやすいのではないかと思います。
話の合間、ふと窓のほうに視線を向けると、海が見渡せた。船の行き来する様子も見えた。
定木さん:いい雰囲気ですよね。この近くにフェリー乗り場があり、広島市内とのアクセスのよさも魅力。私自身もフェリーで通っています。フリーランスになる前は東京・品川勤務でした。満員電車に揺られていたころとは違って、快適です(笑)。
COCODEMOは新規事業創出に向けた開発拠点と位置づけられているが、同社のCSR活動の一環として、IT関連教育にも力を注ぐ。たとえば、小中高生および教員向けに、プログラミングやデザインツールの使い方教室を定期的に実施している。
その際、地元でのイベント開催に知見を持つ、フウドの代表理事・後藤峻さん(現在、バレットグループにも所属)との連携は欠かせない。
後藤さん:定木さんと会ったときによく話しているのは、COCODEMOをもっと江田島市民に根付く場所にしたいね、と。 現状はオフィスとして機能しているので人の出入りができませんが、気楽に立ち寄れるようにして、親しまれる場所にしたい。 気軽に中高生が来て、日頃からいろいろ教えたり、相談にのったりできたら、もっと活気が出ると思うのです。
そんな二人は、仕事を離れても、気心の知れた間柄。定木さんは最近、後藤さんに教わって、ボードに立ってパドルを漕ぐマリンスポーツ「サップ(スタンドアップパドルボード)」を始めたという。
定木さん:都内で働いていたときと比べて、リラックスできる時間が増えました。後藤さんをはじめ、江田島で知り合った人たちと、『今後こうしていきたいね』『こんなことやりたいね』と将来を語る......そんな積極的な会話とともに、公私にわたって江田島市を楽しんでいます。
今回、主に話を聞いた安西さん、定木さんはともに20代半ば。そうした若い力がいま、江田島市を盛り上げようとしていた。
川上さん:バレットグループさんも、ジーンリーフさんも、チャンスがあれば『ひろしまサンドボックス』に挑戦してほしい。場合によっては、お誘いして巻き込んでいけたら。逆に、やりたいことがあれば、ぜひ声をかけてください! 広島県や江田島市でのチャレンジングな仕事を楽しんでほしいと思います。
彼らの活躍によって、テクノロジーを活用していく広島県の実証実験プロジェクト「ひろしまサンドボックス」も、さらに充実していくに違いない。
<企画編集・Jタウンネット>