「受験日に寝坊した私の前に現れた、見知らぬ自転車の女性。『後ろに乗って』と言われたが...」 (愛知県・50代男性)
大学受験のような人生のビッグイベントで絶対に避けたいのが、朝寝坊である。
そうは言っても、どうしても緊張してしまうシチュエーション。なかなか寝付けなくても無理はない。
さらに、今回の投稿者・Dさん(仮名、50代男性)の場合、前泊したホテルの隣室が最悪だった。
明け方まで男女が大騒ぎ。そのせいで寝付けなかったDさんは、寝坊してしまう。
試験はまだ始まっていない時間だが、ホテルから会場の大学まで走っても、着くころには......。
そんなとき、同じくらいの年の女性が彼に声をかけてきた。
後ろに乗せてもらったものの...
もう30年以上昔のことです。
受験生だった私は、入学試験のために金沢に前泊していました。
翌日が入試ですから、もちろん早く寝ておきたい。しかし、隣室で数人の男女がばか騒ぎしていて、非常にうるさかったのです。
何度もホテルマンが注意しに行くもいっこうに収まらず、静まったのは明け方。わたしもそれで、ようやく寝付けたのですが......。
案の定、私は朝寝坊してしまいました。
ホテルから金沢大学まで、大きな荷物を抱えて必死に走りました。でも、もう到底試験には間に合わない。
そのときです。自転車に乗った同年代の女性に声をかけられました。
「私も受験に向かってます」
「私も受験に向かってます。乗ってください」
と、助け船を出してくれた彼女。
諦めかけていた私は、すがる気持ちで後ろに乗らせてもらいました。
でも、そうすると自転車は進まなくなってしまったのです。
なので、私が自転車を漕いで、女性には荷台に乗ってもらって後ろから道案内していただくことに。
実は、初めての女性との2人乗り。必死すぎて楽しむ余裕は無かったなぁ(笑)
お陰で試験が始まる前に大学にはたどり着いたものの、どの校舎に行ったら良いかわからず、結局教室には20分ぐらい遅れて到着しました。
もう冷静さを欠いてしまって、1科目めは散々。もうダメだろうなと思いつつも、助けてくれた女性に感謝を伝えようとテスト後に探し回りましたが、方向音痴でどの門で別れたのかわからず......お礼も言えないまま今に至っています。
30年以上たちましたが、今でも感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとうございました。
この声が届きますように。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
受験日の朝......誰でも緊張するシーンなのに、見ず知らずのDさんに助け舟を出した女性の善意には、頭が下がるばかりだ。Dさんにとって、30年以上たっても忘れない大切な思い出になるのも頷ける。
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