めちゃくちゃ美人じゃねーか... 埼玉のゆるキャラ「コバトン」のモデルが、こんなに妖艶だって知ってた?
「やたら妖艶なハトがいました」
そんなコメントとともに投稿された写真が、ツイッターで話題になっている。
妖艶なハト、と言われてもいまひとつピンとこないが、一体どんなハトなんだろうか?

映っているのは、白い羽毛の1羽のハト。羽繕いの最中なのか、くちばしで背中辺りの羽毛を突いている。振り返る首の角度といい、流し目をするような半開きのまぶたといい、なんだか只者じゃない雰囲気がある。
光の当たり具合も相まって、まるでフワフワとした純白のドレスを身にまとった貴婦人のように見えなくもない。これは......たしかに「妖艶」だ。
オーラのあるハトには8日16時時点で4万8000件の「いいね」、1万件のリツイートを集めるなど多くのユーザーをメロメロに。ツイッター上ではこんな声が寄せられている。
「コケティッシュな鳩さん」
「流し目感がなんとも」
「絶対主人公に金言授ける系のやつ」
「こりゃ魔性だはw」
写真は、ツイッターユーザーの「るいず」(@Louise_yome)さんが21年10月7日に投稿したもの。
Jタウンネット記者は8日、投稿者本人に取材した。
天然記念物で、埼玉県のシンボル
「るいず」さんが妖艶なハトを発見したのは、東武動物公園(埼玉県南埼玉郡)でのこと。時刻は午前10時ごろで、木漏れ日の当たる絶妙な場所にいたところを撮影したという。
「こちらは、東武動物公園にて展示されているシラコバトです。
園内には埼玉県の県鳥であるシラコバトが多数展示されておりますが、中でもこの個体は目立つ場所で堂々と羽繕いをしており、美しかったので撮影するに至りました」(「るいず」さん)

日本大百科全書(ニッポニカ)によると、シラコバトは、もともと江戸時代に鷹狩用の猛禽のエサとして輸入された。それが野生化し、越谷市を中心に生息しているのだという。
「越ヶ谷のシラコバト」は56年に国の天然記念物に指定され、また、65年には埼玉の「県民の鳥」になった。県のマスコットである「コバトン」と「さいたまっち」も、シラコバトがモデルだ。
「私たちには馴染みの深いハトですが、改めてじっくり見る機会もないかと思います。特に、シラコバトは絶滅危惧種であり、そういった鳥がいるということをご存じの方も少ないのでは、と思いました」
とるいずさん。シラコバトは、環境省が発表するレッドリスト2020では、「絶滅危惧IB類」(近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの)とされている。
日本国内では希少なシラコバト。それもこんな妖艶な姿を捉えた一枚は、かなり貴重かもしれない。
放し飼いで展示されている
Jタウンネット記者は8日、東武動物公園にも話を聞いた。
取材に応じた飼育課長の大西秀弘さんによると、このシラコバトは園内の「バードドーム」というエリアで展示されている個体だ。
「バードドーム」内では、オシドリやクロトキなど5種類ほどの鳥類を放し飼いしており、来園者はドーム内の順路を歩きながら彼らを観察できるようになっている。現在、同エリアには約25羽のシラコバトがいるそうだ。
ただ、「るいず」さんが投稿した個体については、
「残念ながら、25羽のうちのどれが当該の個体なのかは、写真だけでは判別できません」
とのことだ。
大西さんは、同園のシラコバトがツイッターで反響を呼んでいることについて、
「シラコバトは段々と数も減ってしまっている希少な鳥です。そんな状況の中、こうして話題になっているというのは、動物園側としては嬉しいですし、ありがたいです」
とコメントしている。皆さんもシラコバトを見に東武動物公園に足を運んでみてはどうだろう。運が良ければ、彼らの妖艶な姿が拝めるかもしれない。
やたら妖艶なハトがいました #東武動物公園 pic.twitter.com/3rwcbZ5MHh
— るいず (@Louise_yome) October 7, 2021