「幼い息子と乗った新幹線、隣の席には酔っ払いのおじさんが。『ハズレくじだ』と思い、警戒していたら...」(兵庫県・50代女性)
2021.09.08 06:00
「ねぇ、抱っこしていい?」
「東京の実家から神戸に帰る時のことです。私が取った新幹線の指定席の隣に、酔っ払っているおじさんが座っていました。しかも、始発の時点で」(N乃さん)
内心「あ~、ハズレくじだ」と思いながら席に座ったN乃さん。「何もトラブルが起きなければいいけれど」と心配していたのだが......。
「おつまみを食べ、缶酎ハイを呑みながら、おじさんは息子を見ては『かわいいなぁ...かわいいなぁ...』と言ってあやしてくれます。
そして、『生後何ヶ月か?』『どんな物が食べられるのか?』など質問して来て、話しているうちに悪い人ではなさそうだとわかってきました」(N乃さん)
彼女の心配とは裏腹に、おじさんはとても気さくな性格だったそうだ。
「新横浜を過ぎて名古屋までノンストップのタイミングで、『ねぇ、抱っこしていい?』と言ってきました。断る理由もないので抱っこしてもらうと、『すぐ後ろのデッキまで散歩してくる』と言って歩いていきました」(N乃さん)
これまでのおじさんの優しいふるまいと、しばらくは止まらない新幹線。何も起こることはない、N乃さんは感じたのだろう。もしかしたら、おじさんも彼女に無用な心配をさせないために、そのタイミングで切り出したのかもしれない。
車両の一番後ろの席に座っていたN乃さんが時々振り向くと、おじさんと息子は窓の外を見ながら楽しそうにしていたという。