お互いに言葉のなかったあのやり取りが忘れられない──。
Jタウンネットが、皆さんの思い出に残っている「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集したところ、福岡県の50代女性N本さん(仮名)から、そんなメールが寄せられた。
それは今から30年ほど前のこと。夜、家に帰った彼女は祖母が倒れたという知らせを聞いた。
おばあちゃん子の彼女は、急いで電車に飛び乗る。道中は、涙と鼻水が止まらなかったそうだ。
そんな彼女に、隣に座っていた一人の男性が気付いた。
そして、無言でハンカチを取り出して渡してくれたという。
N本さんが悲しみに暮れる中で出会った、ある一人の紳士との思い出を振り返ろう。